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ご報告:テンジンショウグン、終の棲家へ

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今日は嬉しいご報告があります。

北海道で開催した「あの馬たちの近況報告写真展」をきっかけに、ある馬を終の棲家へ橋渡しすることができました。

「テンジンショウグン」です。
写真展をご覧になった方は、赤い制服を来た騎馬隊の女性隊員を背に、凛と立つ姿を覚えている方もいらっしゃると思います。

ここで少しそのプロフィールに触れると・・・

1990年、北海道浦河町の川島牧場で産まれた彼は、皐月賞でトウカイテイオーの2着となったシャコーグレイドの半弟として期待を背負い、重賞レースでもそこそこの成績を残しながらも、なかなか勝ち切れないレースが続いていました。

その後、障害レースへ転向し、ここでもまずまずの成績を収めていましたが、9歳となった98年の春、「中山競馬場のバンケットが合わない」として、急遽、芝へ戻って日経賞(GIII)に出走。そしてなんと、12頭中ダントツの最低人気という評価を見事にくつがえして、見事に優勝!!永年のパートナーだった江田照男騎手を再び背に、念願の重賞初制覇となりました。

「間違いなく、勝ったのはテンジンショウグン!」という実況を覚えていらっしゃる方も少なくないのではないでしょうか。

その後、競走生活を終えたテンジンショウグンは、誘導馬を経て、警視庁騎馬隊へ入隊。「新志」と名づけられて、新しい道を歩み始めました。

写真展に「新志」となったテンジンショウグンが初めて登場したのは、昨年1月の「Gate J.新橋・東京」です。
撮影させていただいたのは、近くの小学校で交通誘導をしているところでした。

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騎馬隊厩舎を出発する「新志」

朝早かったからか、まだちょっと眠たそうですね。
校門近くの横断歩道で交通誘導をする新志に、子供たちが「おはようございます!」「行ってきま~す!」と元気な声をかけていきます。

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「みんな、おはよう。しっかり勉強するんだよ。」

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おでこには「ピーポくん」、胸元に光る警視庁のマーク

かっこいいですね。
写真展会場で、彼のパネルの前で足を止めてご覧になる方が多かったのも納得!の勇姿です。

そして、今年6月、写真展が北海道4か所を巡回開催することになり、ぜひまた彼のパネルを展示させていただこうと、騎馬隊の方に連絡をしたところ、ご快諾いただくとともに、新志がもうすぐ引退することを伺いました。

騎馬隊の馬たちの中では大ベテランさんで風格もたっぷり、まさしく威風堂々とした感じの新志ですが、もう御年22歳。そろそろご隠居生活に、ということでした。

さて、どこか、彼がのんびり暮らせる場所は・・・と、新しいおうち探しのお手伝いをしている時、手を挙げてくださったのが北海道・日高にあるRolling Eggs Clubさんでした。

RECさんでは、ビコーペガサスなどの高齢馬たちがのんびりとその余生を会員さん達に支えられて暮らしています。

「22歳なら、まだまだ若いですよ。」を言われるだけに、RECさんで暮らす馬たちは、本当にみんな長生き!きっと、馬にとって、とっても居心地のいい場所なのでしょう。

こうして、新志は、その余生を生まれ故郷の北の大地で過ごすことになりました。

そして最後のお仕事へ。


警視庁騎馬隊では、子供たちの交通誘導やパレードの先導などの他にも、皇宮警備、信任状捧呈式の馬車列警護といった大切な任務があります。
彼の「新志」としての最後のお仕事は、皇宮前でのパトロールでした。馬運車を降り、バンテージを丁寧に巻いてもらって、馬装を整え、「いざ!」

・・・の前に、ひととき、子供たちとスキンシップ。

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「うまのおまわりさん、おとなしいねぇ。」

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仲間たちと一緒に。

「きみたち、後は頼んだよ。」といったところでしょうか。
向かって左は息吹(ミスズシンプー)、右は幸希(ゲットブラック)です。

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しっかりカメラ目線!

撮影の為に同行していた写真展のスタッフが、「カメラを向けるとレンズのほうを向く!」と驚いていました。「とっても賢いんですよ。」と騎馬隊の方が言われていましたが、撮られていることがちゃんとわかっているのかもしれませんね。

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二重橋にて。

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あっという間に大勢の観光客に囲まれてしまいました。

海の向こうからのお客様の、思い出の一枚にも残るんですね。

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「おつかれさま!」と駆けつけてくれた人たちと。

2012-07-25 11.05.24.jpg大都市・東京の中心。
ここでの任務はもう数えきれないほどだったそうです。見慣れた景色とも、そろそろお別れのときが。

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馬装を解く間、なんとなく名残惜しそうにビル街を眺めています。これが最後の任務だとわかっているのでしょうか。

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担当の女性隊員に寄り添われて車に乗り込んでいきました。この方が初めて担当したのが新志だったそうです。

こうして新志は、最後の任務を立派に勤め終えました。本当におつかれさま!撮影にご協力くださった騎馬隊のみなさま、ありがとうございました。

そして、8月25日早朝。いよいよ13年間住み慣れた厩舎をあとに、生まれ故郷の北の大地へ帰る日がやってきました。

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長旅の無事を祈り、「馬躰安全」のお守りをつけて。

騎馬隊の隊員さん達も、早朝にも関わらず、たくさんお見送りに集まってくださいました。愛用の馬着や、道中のおやつの人参なども馬運車に積み込んでもらい、彼が騎馬隊でとても大切にされてきたことをあらためて感じました。

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隊員さん達を振り返る新志

まるで、「今までありがとう」、「さようなら」と言っているかのようでした。



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いよいよ馬運車へ。

これからまる1日かけて、北海道・日高のRolling Eggs Clubさんへと向かいます。RECさんでは彼を迎える準備もすっかり整えられているとのこと。スタッフさんも、会員のみなさまも、到着を心待ちにしていらっしゃるそうです。出発をお知らせしたところ、「彼のこれからの任務は、"穏やかな余生を過ごすこと"。1日も長く故郷でその仕事が全うできるよう、サポートしていきたいと思っています。」と、お返事をいただきました。

よかったね。テンジンショウグン。ありふれた言葉だけれど、これからもずっと元気で、長生きしてね!

日高へ行かれることがあれば、ぜひ彼に会いに行ってあげてください。騎馬隊の隊員さん曰く、「馬より人が大好き」だそうなので、きっと喜ぶと思います。

写真展にパネルを展示している馬たち、一頭一頭、それぞれに物語があります。これからも折りをみて、そんなエピソードをご紹介していけたらと思っています。

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コメント(10)

良かった!
お話を伺ってからずっと気になっていました。
本当に本当に良かったです。
記事読みながら、目頭が熱くなりました。
一頭の馬の余生を見ることは本当に大変なこと。
テンジンショウグン君は、本当に幸せ者ですね!
楽しい自由生活満喫してね!

田川さん、こんにちわ。
気にかけてくださってありがとうございます。
北へ帰ったテンジンショウグン、すっかりリラックスモードで
新しいおうちにも慣れ始めているようです。
騎馬隊の方々も、とても喜んでいらっしゃいました。
本当にこれまでがんばってきた分、自由生活をたっぷりと満喫して
長生きして欲しいですね。

はじめまして。
テンジンショウグン号の記事、嬉しく拝見しました。
私も騎馬隊を時々訪問しており、テンジンショウグン号には思い入れを持って接しておりました。

騎馬隊の皆さんは、敬意を持って新志号に接し、大切にされていました。新志号も騎馬隊のベテラン職員?として、若い隊員を温かく見守り、まさに模範馬として活躍していました。

それだけに、こうしたお話は本当に嬉しいです。
騎馬隊の皆様がどんなに喜ばれているか、目に浮かぶようです。
頑張ってきたご褒美を生れ故郷で堪能して、一日でも長生きして欲しいです。

お疲れ様でした。新志号!

これ、漫画にして欲しい!

奥村さま、はじめまして。

テンジンショウグンをずっと見守っていらしたのですね。
彼がこれまでがんばってお仕事ができたのも、騎馬隊の方々と、こうして見守ってくださってきたたくさんの方々のおかげなんだとあらためて思いました。

私は新志のご担当はお二人に接しさせていただく機会があったのですが、お二人とも「新志は師匠です。」とおっしゃっていました。新志は自分の任務をすっかり覚えていて、「次はこっち」「ここではこうする」と教えてくれるのだそうです。
本当にやさしい大先輩ですよね。

RECさんでは放牧も少しずつ始めているそうです。のんびりと草を食む新志、どうかずっと長生きしてと私も願っています。

黒鷲さん、こんにちわ。

ね!どなたか描いてくれないでしょうか??

こんばんは。

今夜のUHB(北海道文化放送)の夕方のニュースで、テンジンショウグン君がRECさんに到着した様子が放映されたんですよ!
残念ながらその部分は見逃してしまったのですが、ニュースでは引退馬の余生について取り上げていて、先日☆になったシンチェストの納骨の模様も放送されていました。

テンジン君は、これからチェスト君たち先輩が静かに見守るあの素敵な牧場で、のんびり草を食みながら暮らすのですね。
頑張った分、少しでも多くの馬がこうして幸せに暮らせるといいですね。

らすかるさん、こんばんわ。

取材されていることは伺っていたのですが、実際に放映されたところを観たかったです!
馬産地のテレビニュースで引退馬のことが取り上げられるのは影響力がありますね。
テンジンショウグン、仲間達の為に!とがんばったのかも。
長いことコンクリートの上を歩いてきた蹄鉄も既に外してもらったとのこと。
ふわふわの牧草のじゅうたんはどんな心地でしょう。
ずっとずっと幸せに、長生きして欲しいと思います。

はじめまして

テンジンショウグン号・新志、お疲れさまでした。

あのレース、あの場内のどよめき、翌日のスポーツ新聞の一面忘れられません。

あの時は、大変お世話になりました。

競走生活を終え、誘導馬を経て、警視庁騎馬隊へ入隊、あなたの頑張り、陰ながら応援していました。

これからは、生まれ故郷で幸せに暮らし、長生きしてください。

蒼い流星様、はじめまして。

日経賞、ご覧になっていらしたのですね。
しかも馬券も当てられていたんですよね。おめでとうございます。

彼が第二の馬生を立派に勤め上げ、生まれ故郷の北の大地へ帰ることができたのも
みなさんが彼を忘れずにいてくれたからこそだと思います。
これからもテンテンの余生を見守ってくださいね。
よろしくお願いします。

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