2024年に実施された「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション(NNMD)2024」3頭目の適用馬として、ラブハート(牝、6月4日で満22歳)が新たにフォスターホースに仲間入りすることになりました。
本馬は繁殖牝馬として、2018年のオーシャンステークス(G3)を優勝したキングハート、2020年のCBC賞(G3)を優勝したラブカンプーと2頭の重賞勝ち馬を送り出しており、NNMD2024のテーマ「引退繁殖馬支援 [Part 2] ※重賞(国内Jpn以上の重賞、海外パート1国の重賞)勝ちの産駒を輩出している馬」の条件を満たしています。2月1日付でオーナーの奥山ファーム様から引退馬協会への譲渡が終了しています。1回目のレポートとして近況をお伝えします。
奥山ファームは日高町正和地区にあり、生産・育成・コンサイナーを行う総合牧場。日高自動車道厚賀ICから道道208号を15kmほど北上した賀張山の麓にあります。夏は30℃、冬はマイナス30℃と気温差は激しいですが、隣には厚別川が流れ、澄んだ空気と静かな環境に囲まれています。
静かな環境です
先述した2頭の重賞勝馬を生産したほか、コンサイナー(セリ市場に向けての馴致)として、ニュージーランドトロフィー(G2)を優勝したトーホウレーサー、マーガレットステークス(OP)を優勝したシゲルモトナリなどを送り出してきました。また、過去には京都記念(G2)優勝のシルクフェイマス、皐月賞(G1)2着のシルクライトニングなどが功労馬として余生を送っていました。
近年は20頭ほどの規模で生産を行っていましたが、2024年2月10日早朝、20馬房ある繁殖厩舎で火災が発生、在厩していた18頭の繁殖牝馬の内17頭が命を落とす痛ましい事故が起きました。この年、空胎だったラブハートはイヤリング厩舎(育成)に居たので難を逃れました。
失意の底にあった奥山代表でしたが、同業者、馬主様、競馬ファンから励ましの声が届き、再起へ向けて動き出しました。新たに建設する繁殖厩舎は費用の一部をクラウドファンディングで支援を募り、目標金額300万円に対し743人から1354.4万円が集まりました。昨年6月に竣工式を執り行った新厩舎では今年のお産も始まり、目標金額を大きく超えるご寄付が集まりました。
建設資金の一部をクラウドファンディングで募った新厩舎
昨年で繁殖牝馬を引退したラブハートは現在、奥山ファーム本場から北へ1kmほど進んだ場所にある分場で過ごしています。分場として厩舎1棟を借りていますが、在厩馬はラブハート1頭のみ。周辺には牧場も無く、耳を澄ませてもカラスの鳴き声とキツツキのドラミングが聞こえるくらいの静かな場所です。
奥山ファーム分場
本場から奥に入ったところにある静かな環境です
分場を案内していただいた奥山代表は
「2頭の重賞勝馬を送り出した優秀な繁殖牝馬でしたが、高齢になると共に受胎率が悪くなり繁殖牝馬を引退することにしました。気は強いけど子煩悩、子育てでは他の繁殖牝馬を威嚇していました。独りを全く気にしない性格なので放牧地に1頭だけでも寂しがることなく気ままに過ごしています。現在は朝6時頃~15時頃まで放牧していますが、1日2回の飼い葉もよく食べて健康状態は良好です」と話していました。
ラブハートのご支援をよろしくお願いします。
1頭でも平気
視線が合いました
「誰かな…」
こちらを気にしながらゆっくりと歩きます
木戸口の横に積まれた乾草をムシャムシャ
[動画]放牧中のラブハート
[動画]ラブハート 雪の上でゴロンゴロン
重たそうな体ですが、起き上がってからが軽やか!
ラブハートは繁殖牝馬として7頭を出産、6頭が競走馬としてデビューしました。繁殖入りした娘のラブカンプー(JRA3勝、CBC賞優勝)、ラブサンキュー(地方3勝)は別の牧場で繁殖生活を送っています。
現役では園田で4勝を挙げ、JRAに再転入したラブカヒルー(牝6歳)が頑張っています。また、奥山ファームの生産馬でラブカンプーの初仔・ラブアイミー(牝3歳)は昨年7月に小倉競馬場でデビュー、見事新馬勝ちを決めています。ラブハートの子供や孫たちの応援よろしくお願いします。
奥山ファーム公式サイト https://www.okuyamafarm.jp/
Facebookアカウント @okym.farm
※火災事故発生時に設立された応援アカウント
【公認】奥山ファームを応援する会X(旧Twitter)アカウント @okuyamafarmfan
見学は会員のみとなります。今後の見学情報は会報にてお知らせいたします。
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