ナイスネイチャ産駒のナイスゴールドとサポ―ホースとして今までご支援いただいていたコテツ(競走名ルージュビクトリー)の二頭を引退馬協会のフォスターホースとして迎え入れました!
渡辺牧場生産馬のナイスネイチャの初年度産駒、ナイスゴールド(23歳)をフォスターホースとして受け入れることになりました。
2020年10月に乗馬を引退して渡辺牧場に帰ってきたナイスゴールド、当初渡辺さんは独自に会員さんを募り繋養することを考えていましたが、蹄葉炎であることがわかり、それを見合わせていました。
ナイスゴールドをフォスターホースにできないかと考えたのは昨年(2020年)の11月、道東の視察の帰り道に渡辺牧場に沼田と加藤が寄らせていただいたとき、たまたまナイスゴールドが蹄葉炎の電気鍼による治療を受ける場に居合わせました。みるみるうちに表情が明るくなっていくのを目の当たりにしました。
そんなナイスゴールドを目にした沼田と加藤がそれぞれ考えていたことは同じでした。「ナイスゴールドをフォスターホースにできないか」ということでした。
体に弱点のある馬について渡辺さんの献身的なケアには、これまでもフォスターホースたちが恩恵を受けてきました。先だってはエイシンルーデンスの預託をお願いしたのも、これまでの実績と信頼があってこそでした。ナイスゴールドもフォスターホースになれば、金銭的な負担を考えずに治療にも専念させてあげることができ、生活の質の維持とともに馬の医療の向上になりうるのではないかと考えました。
渡辺さんに想いを切り出したのは2021年1月末になってからでした。そのときは渡辺さんがナイスゴールドを「渡辺牧場里親会」にいれることも考えているのでしばらく考えたいとのことで、結論はすぐに出ませんでした。渡辺さんから、フォスターホースの提案を受け入れてくれたのは、エイシンルーデンスの預託が始まってからでした。
そうこうしているうちに、思いがけない“ウマ娘”ブームで、父ナイスネイチャが注目されることになりました。同じ牧場で生まれた父子が、引退後も同じ牧場で過ごすだけでも奇跡ですが、ナイスゴールドがフォスターホースになるタイミングで父が注目されたことは、ナイスゴールドが父の強運を受け継いでいるかのようです。
ナイスゴールドは中央5戦未勝利で骨折が原因で競走生活を引退しました。生まれ故郷に戻って骨折の治療療養をしたのち乗馬として送り出されました。競走馬としてより乗馬として長い間仕事をしてきたため、競馬ファンには馴染みがないかもしれませんが、乗馬名クアトロガッツの名前で活躍したとのことです。
引退馬協会スタッフがナイスネイチャの画像と取り違えても気づかないほど、良く似た2頭です。父同様、息子ナイスゴールドの馬生も、皆様と一緒に見守っていけたら幸いです。
東日本大震災の被災馬の一頭のコテツ(14歳)(競走名ルージュビクトリー)を被災馬フォスターホースとして受け入れることになりました。
2011年、引退馬協会が被災馬支援に乗り出したとき、真っ先に被災馬の受け入れを表明してくれたのが埼玉県の養老牧場の当時の場長のKさんでした。
コテツは牧場の収入や寄付によって養われていましたが、震災から3年経った2014年3月に、引退馬協会の対外支援活動の引退馬ネットの運営サポートを受け、「被災馬コテツ(ルージュビクトリー)の会」を立ち上げ会員制度を導入しました。
しかしKさんが体調を崩し、牧場の運営がだんだん厳しくなってきました。そして2017年2月に、Kさんはついに緊急入院することになりました。牧場は近隣の馬関係者やボランティアにより運営していましたが、牡馬でやんちゃなコテツは扱うことが困難だったため、引退馬協会の「被災馬支援基金」からの支援により、牡馬を扱える近隣の牧場へ移動し、去勢手術をしました。一時は衰弱していたコテツですが、元気を取り戻していきました。
被災馬コテツの会は、引退馬協会の対外支援事業である「引退馬ネット」の直接の管理下におき、2017年8月に、福島県双葉郡川内村の養老牧場“みどりのまきば”へ移動しました。移動してからは牧場の先住馬の梅ちゃん、愛ちゃん(再就職支援プログラム卒業生のプリンセスアイズ)ら仲間と過ごし、今では牧場のリーダー的な存在になりました。(みどりのまきばさん公式ブログより「りっぱなボス」)
コテツが被災馬として、引退馬協会の見守り対象馬の馬であることから、被災馬フォスターホースとする選択肢もあり、引退馬ネットのスタッフが被災馬コテツの会の会員さんたちや“みどりのまきば”の黒澤さんにお会いする機会に相談してきました。やむを得ない事情で会員を続けることができない方がいることを考慮し、会が安定するならと賛同していただきました。
安定してコテツを養っていくことができるだけでなく、被災馬フォスターホースになることで、被災馬コテツの会の会員のみなさんや、コテツのことを心配して寄付という形でご支援いただいているみなさんに、コテツの近況を届けやすくなることも、決断する理由のひとつでした。
2020年中は引退馬協会では相次いで新規のフォスターホース受け入れがあり、コロナ禍で引退馬支援そのものに先行きに不透明さもあったため時期を先送りとしてきましたが、被災馬コテツの会の会員の皆様にご支援を継続いただくこと、当面の預託料を被災馬コテツの会の残高でまかなえること、そしてたくさんの方が、新たに引退馬支援に関心を寄せてくださっている今こそ、よいタイミングだと判断いたしました。
預託先の“みどりのまきば”のある川内村は被災馬フォスターホースの「おにくん」のいる“厩舎みちくさ”からは1時間ほどの距離になります。日本の原風景の里山が残る山間の美しい村です。今はコロナ禍で人々の往来が制限されていますが、平穏な日常が戻ったら、コテツがいることで、人が訪れるきっかけになれば幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
※被災馬フォスターホースは、一頭ずつのご支援ではなく、ハーモニィチトセチャン、コッチャン、ハーモニィフラ、おにくん、コテツの5頭のご支援となります。
里親として二頭の馬生を支えてくださる
「フォスターペアレント会員」と「被災馬フォスターペアレント会員」募集について