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6月8日(日)に開催された会員限定ふれあいイベント「フォスターホースと過ごす日」のようすをお伝えします。
●ワークショップ概要
講師/馬理学セラピスト・藤本美芽先生(エクイエンス株式会社代表)
「馬とのコミュニケーションツール」(全4回)
・馬に触る際の注意点 (馬体の知識を得て安全に馬に触れる)
・馬の表情や態度を読んで馬の気持ちを理解するために
・馬の健康状態の見方 (馬の心肺機能は、何で判断できる?)
・簡単なお手入れ
などを、藤本先生に実践していただきながら、体験し学ぶワークショップです。
* * *
当日は天候が心配されていましたが、朝のうちに雨も上がり、蒸し暑さの残る中での開催となりました。
今回は、馬理学セラピスト・藤本美芽先生の全4回のワークショップ「馬とのコミュニケーションツール」の第3回目。
リピーターの方の17名に加え、初めてご参加くださる方の7名、あわせて24名の方にご参加いただきました。
アジサイも綺麗に咲いていました
クラブハウスでは、引退馬協会のオリジナルグッズのほか、今回特別に乗馬倶楽部イグレットさんのクリアファイルも販売。
イグレットさんのクリアファイルは、思わず手に取りたくなるような可愛い馬のイラストで、大変好評でした。
オリジナルグッズ
収益はすべて引退馬支援のために使わせていただきます
イグレットさんの可愛いクリアファイル
沼田代表のご挨拶と藤本先生より本日の説明をいただき、イベントがスタート!
(左)藤本先生、(右)沼田代表
今回のワークショップのテーマは「馬の健康診断」。
まずは、これからの季節に特に注意が必要な「脱水症状」について学びます。
先生のレクチャーを受けながら、自分の手の甲の皮をつまんでみる参加者の皆さま。「戻りが遅い人は要注意ですよ〜」という言葉に、思わずドキッとされた方も。
実は、馬も同じ方法で脱水のチェックができるんです。馬の場合は首や肩のあたりの皮膚を軽くつまんで、皮膚の戻り具合を見るそうです。とてもシンプルな方法ですが、意外と見落としがちなポイントとのこと。
脱水症状をチェック
馬体の毛ヅヤや色、目の特徴、汗のかき方などから健康状態を見極める方法を学びました。
皆さまリラックスした雰囲気で楽しみながら、しっかり学んでいらっしゃいました。
普段から乗馬クラブで馬と接している方も「これはすぐに試してみたい」と、皆さま熱心にメモを取る姿がとても印象的でした。
続いて、つなぎ場へ移動していよいよ実践タイム。
フォスターホースのコアレスピューマ、ブラックバゴに加え、再就職支援プログラム受講中のノーブルマーズ(第39期生)とインカラム(第40期生)のそれぞれ個性豊かな4頭が登場。
(左から)コアレスピューマ、インカラム、ノーブルマーズ、ブラックバゴ
皆さま、毛ヅヤや目の色、それぞれの馬の皮膚を引っ張って健康状態を比較したり、聴診器を使って心臓の音を聞いてみます。
実際に馬の皮膚をつまんでチェック
聴診器を当てて心音を確認
「ゆっくり響く感じがする」「遠くの奥の方から聞こえるような音」と、想像していた「鼓動」とは違ったことに、思わず驚きの声も。
馬の心拍数は1分間におよそ28回。人間に比べてずっとゆったりしていて、実際に耳で聞くことにより普段なかなか感じ取れない、馬の内側から伝わる命のリズムがありました。
心臓の場所を確認しながら聴診器を当てます
歯茎をチェック。ほんのりピンク色が健康のサイン
ピューマもインカラムも健康です!
ここで蒸し暑い中での実践のため、馬たちはふすまジュースで水分補給です!
「ふすまジュース」は、麦のふすま(外皮)と糖蜜と塩にお湯を加えて作られています。馬たちにとってやさしい栄養ドリンクのような存在です。
ふすまジュースの成分や与える量、糖分のコントロール、食道の構造、喉詰まりなど、馬の体の仕組みに関する興味深い話がたくさん飛び出しました。
また、馬の体臭と食べ物の関係など、普段あまり聞けないテーマにも触れ、驚きの声があちこちで聞こえました。
ピューマもふすまジュースで水分補給
蒸し暑い中、馬たちもホッと一息
インカラム、ノーブルマーズ
そしてお手入れタイム。
一方向に力をかけて馬に触れることで安心させ、そこから逆方向へと動かしていきます。ただブラッシングするだけではなく、体の構造や反応を見ながらの実践に、皆さま真剣な表情で取り組まれていました。
掌で強さを確かめます
ふすまジュースを味わった後
お手入れ体験もしっかりこなしたブラックバゴ
丁寧にブラッシング
馬たちは気持ちよさそうにしています
最後のお楽しみは、もちろんニンジンタイム!
「おつかれさま」のご褒美タイム
ブラックバゴもニンジンをもらって大満足
ノーブルマーズもインカラムもおつかれさま
今回は出番のなかったルックトゥワイスとクレスコグランドも、しっかりニンジンをもらってご満悦の様子でした。
「今日はお仕事なかったけど、ちゃんとここにいたよ」といわんばかりに、優しい目で見守ってくれていました。
クレスコもご満悦!
もっとニンジンが欲しいルック
クレスコもルックも見守り、おつかれさま
馬たちとふれあって、心がゆるむニンジンタイムのあとは、クラブハウスへ戻って本日のワークショップもいよいよ締めくくり。
今回で藤本先生のワークショップは3回目。
3回講座を受講された方には、沼田代表より「修了証」が授与されました。
沼田代表より修了証を授与
閉会後は時間のある方に向けて、質問コーナーと藤本先生による「馬の骨」の説明がありました。
本物の馬の脚の骨を見ながら、種子骨や蹄骨について解説していただき、皆さま「知らなかった」「なるほど〜」という声があちこちから聞こえ、普段は見えない馬の体への理解が深まる、貴重な時間となりました。
種子骨と蹄骨
今回は、馬の健康に関する知識や見方を楽しく学び、実際に馬に触れながら体験する、とても濃い内容の1日となりました。
初めての方も最初は緊張した様子でしたが、時間が経つにつれて馬と積極的にふれあい、学びに向き合う姿に、スタッフ一同とても嬉しくなりました。
ご参加いただいた皆さま、そしてイベントを支えてくださった乗馬倶楽部イグレットの沼田曜さん、サポートしていただいた渕上真帆さん、そしてがんばってくれた馬たち、大変おつかれでした。
あらためまして、心より感謝申し上げます。
おつかれさまでした
毎回たくさんの学びと気づきを届けてくださる藤本先生のワークショップ。
全4回のうち、いよいよ残すところあと1回となりました。
最終回は、この秋の開催を予定しています。
このワークショップに3回以上ご参加いただいた方には、「修了証」をご用意しております。
次回の開催で、また皆さまとお会いできますことを心より楽しみにしております。