乗馬クラブクリスからエルシー乗馬クラブへ
2016年5月に警視庁騎馬隊を退役し、愛知県常滑市の乗馬クラブクリスさんへ譲渡した「翔馬」号(2002年生まれの17歳:競走馬名マチカネシロガネ)が乗馬クラブクリスさんに併設しているエルシー乗馬クラブへ異動となりました。
騎馬隊を退役し、移動する翔馬号の記事はこちらから→「騎馬隊退役馬・翔馬号 新たな馬生へ」
異動とはいえ、翔馬は蹄の状態が良くなってからずっとエルシー乗馬クラブさんでも練習馬として活躍していましたので、場所を移動するということではなく、所有権の移譲です。
クリスさんでは、蹄の状態が悪くてアスファルトの上での仕事ができないと判断されて退役となった翔馬を引き取り、装蹄師さんと相談していろいろと工夫をしたり、本当に根気強くお世話してくださってきました。
そのおかげで結婚式の馬車のお仕事のお手伝いとして馬がお好きな花婿さんと記念撮影をしたり、徐々にエルシー乗馬クラブで会員さんを乗せて低い障碍を跳べるまでになり、その間も蹄の状態に十分に注意しながら練習馬としての第三の馬生へと導いていただいたのです。
物事にまったく動じず、どちらかというとぼ~っとしている翔馬。騎馬隊時代はどんなことでも安心して任せられる「困った時の翔馬さん」として頼りにされてきました。その気性は乗馬クラブクリスさんからエルシー乗馬クラブさんにお貸しする形での練習馬となってからもいかんなく発揮され、とてもおとなしく従順なので初心者でも乗れる馬として会員さん達にかわいがっていただいており、そんなことからエルシー乗馬クラブさんから乗馬クラブクリスさんへ翔馬を正式に譲渡してもらえないかというご相談がありました。
引退馬協会では、「関わった馬は最後までみる」ことを何より大切に考えていることから、騎馬隊退役馬や再就職支援プログラムの卒業生の無償譲渡に際して、たくさんの方の思いを受けている馬であることを説明し、最後までみてくださることを必ず守っていただくお約束としています。
乗馬クラブクリスさんから協会へご相談があったのもこのお約束に則ってのことで、エルシー乗馬クラブさんへも所有権委譲に際して、この大切なお約束ごとを説明し、ご了承いただいた上で、引退馬協会との間で譲渡契約書を交わしました。
こうした経緯を経て翔馬はエルシー乗馬クラブさんの馬となりました。
エルシー乗馬クラブさんから届いた翔馬の近況では、11月に愛知県森林公園で行われた「秋のホースフェスタ」という競技会で好成績を残したとのこと。競技会デビューの会員さんとのペアでも立派にお役目を果たし、いつも練習ではぼーっとして気合が入らないのに、本番では馬が変わったようなスーパーホースに変わったそうです。
早速、騎馬隊のかたに報告したところ、翔馬がそこまで回復し活躍していること、みなさんに大切にされ、かわいがっていただいていることをとても喜んでいらっしゃいました。
翔馬の活躍の様子はエルシー乗馬クラブさんのブログやfacebookで紹介されますので、ぜひご覧になってください。
競走馬としては一度もレースに出ることなく引退しましたが、騎馬隊では大ベテランとして頼りにされ、今こうして第三の馬生を歩む翔馬。
みなさん、これからも応援よろしくお願いします。