再就職支援プログラム受講生として頑張ってきたヴァーゲンザイル。息労という、呼吸器系のアレルギー疾患が判明し、繋養先の厩舎みちくささんには発作をコントロールするために尽力していただいている毎日です。
譲渡が難しいためフォスターホースとなり、6月の近況報告がみちくささんから届きました。新しい近況報告ブログを作成するまでの間、「お知らせ」にてご報告いたします。
予防接種、駆虫、削蹄がありました。梅雨なので雨で放牧出来ず休馬の日も多く、雨上がりで足場の悪い日には牧草地の放牧はお休みのため、馬達には少しストレスのたまる1ヶ月でした。
ザイル君は変わりなく元気に過ごしています。みちくさに来た当初は地面が泥々だと寝なかったのに、今は他の馬に影響されて水たまりや泥遊びも大好きなので、雨上がりはすごい姿になっています。
削蹄後に少し蹄を気にしているので夜もブーツを履かせ、様子を見ながら牧草地の放牧場に連れて行っています。元々蹄が薄く同じ様に削蹄後に気にすることはありましたが、1週間位で伸びれば問題無いと思います。
少し昔の話になりますが、ザイルくんは来た頃はあまり沢山の頭数と一緒の放牧だと、どうしていいか分からずパニックになる事があり、怪我防止の為半年以上はおでこ、おにくん、マロンとの4頭での放牧でした。
競走馬として長く社会生活から離れていたので、コミュ障みたいな感じかと思っていましたが、皆と一緒に過ごすことにより段々と普通に振舞えて問題なくなりました。
そんな去年の春。ポニーのティアラが体調を崩しご飯も普通に食べられない時期があり、一日横になってばかりでした。すると他の馬達がティアラを気にかけたり、守るように自然とティアラの馬房の外に、何をする訳でもなく集まっていました。
ティアラが連日看病される様子等目の当たりにし、その時ザイルくんは他の馬も人も、皆がティアラを心配している事に気づいたようで、率先してティアラの様子を見に行ったり、ティアラが横になると馬房の外で番をして皆と一緒にティアラを労るようになりました。
こうやって皆と過ごしながら、社会性や情緒等を馬も育んで行くんだなと思った出来事でした。ちょっと可笑しかったのは、それからのザイルくんは、犬が日向ぼっこをして横になっていると犬の心配もするようになりました。
どの犬が気持ち良さそうに寝ていても「大丈夫なの?」と言った感じで、ソワソワ首を伸ばしてのぞき込んで心配するので“いたわりブーム”と呼ばれていました。しばらくしてからは、犬達はただお昼寝をしているんだと分かったようで、気にしなくなりました。
労りの気持ちを覚えたザイルくん。自分も沢山苦労して来たから、相手に寄り添おうとするのだと感じました。そんなザイルくんを支えて下さるフォスターペアレントさんを募集中です。
削蹄の日は厩舎側の放牧です。「牧草地に行きたいんですけどー。晴れてるから行けるでしょう!」と催促していました。
フォスターホースになった経緯はこちら。