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2025年2月21日、タイキフォーチュンが永眠いたしました。享年32歳。
G1ほかJRA重賞優勝馬として、功労馬展示事業対象馬として最高齢でした。
訃報 タイキフォーチュン号(2025年2月22日公開)
https://rha.or.jp/topics/20250221.html
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フォーチュンの最後の様子をご報告いたします。
2月21日、普段と同じ時間に放牧へ。普段と同じように過ごし、普段と同じ時間に収牧し、厩舎に戻り、飼いを完食。
スタッフさんを嘶いて呼び、お代わりを催促。そして完食。フォーチュンは啼けばスタッフさんが来てくれることをわかっているのか、いつも「ボボボボボ」と呼びつけていたそうです。
誕生日に贈られたメッセージが、扉に綺麗に貼られています
フォーチュンと隣の馬房の間には、小さな窓が付いています。そこから、今年生まれた仔馬と母馬を見るのを日課にしていたそうです。
FHになったのが27歳の時で、年齢を考え去勢せずにいましたが、とても賢く穏やかな性格のため、牝馬たちの厩舎でずっと一緒に過ごしていました。スタッフさんが、「フォーチュンを1頭だけ別にするのは可哀想だから」と配慮してくださり、沢山の馬達がいて、寂しい思いをせずにとても楽しく過ごせていたと思います。
窓の向こう側には、母馬と仔馬がいます
そして16時、馬房で倒れてしまいました。
フォーチュンは立ち上がろうとして、スタッフさんたちもなんとか立たせようと、頑張ってくださいましたが立ち上がることはできませんでした。協会スタッフが駆け付け、フォーチュンの馬房に行くとフォーチュンは呼びかけに嘶いてくれました。
次第に呼吸が荒れ、心拍数も上昇したため、苦痛を長引かせないよう、獣医師により十分な麻酔剤を投与した上で安楽死の処置をしていただきました。
21時20分頃、フォーチュンは静かに旅出ちました。
一番最初に鎮静を打っていただきましたが、心臓がかなり弱っているため、鎮静だけで心臓が止まるかもしれないと先生から説明を受けましたが、フォーチュンは鎮静で寝始めました。その後麻酔を投与、最後は苦しむことは一切なく眠ったままでの旅立ちでした。
スタッフの皆様はフォーチュンが倒れた時、馬体に傷をつけないよう注意を払ってくださいました。旅立った後に、最後のブラッシングをしましたが馬体はもちろん、顔にも脚にも傷ひとつなく、穏やかな顔をしていました。
本桐村田牧場の場長さんからは
「ホースマンとして、これだけの名馬をお世話ができたのは、幸せなことでした。スタッフも、最後まで面倒をみる、見守ることができるという気持ちから、可愛がることができました。フォーチュンに携われたことは、スタッフの宝ものになると思います。
フォーチュンのように、幸せな馬が増えることを願っています」
とお言葉をいただきました。
生産牧場さんは強い馬を作るために日々馬たちをお世話をされています。時には命の選別という厳しい判断をすることもあると思います。そんな中フォーチュンはスタッフさんにとっては癒しの存在だったそうです。皆さんから「フォーチュン、フォーチュン」と話しかけてもらい、可愛がってくださいました。
牧場の皆様は未去勢の種牡馬上がりの高齢馬であるフォーチュンを受け入れてくださり、最後まで深く、細やかな愛情を掛けていただきました。本当にありがとうございました。
沢山の花に囲まれたフォーチュン
祭壇も綺麗に飾ってくださいました
お骨も馬房に戻り、今は祭壇に安置されています。(祭壇は3月21日まで設置の予定)
最後になりましたが、フォーチュンを愛してくださり本当にありがとうございました。
皆様に深く感謝しております。
弔問について
フォーチュンを偲ぶ祭壇。本桐村田牧場 さんのご厚意により、弔問(前日までに要予約)とご供花が受け付けられています(3月21日までの予定)。繁殖シーズンですので、牧場を訪れる際には防疫のためのご配慮をお願い申し上げます。
●時間 冬季 9:30~14:00
●予約 訪問の前日までに、直接牧場へ予約してください。
・メールフォームから
本桐村田牧場 公式サイト メールフォーム →「功労馬の見学」からお申し込みください。
・電話で
連絡先は引退馬協会の各種会報をご覧いただくか、競走馬のふるさと案内所にお問い合わせください。
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