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    みちくさだより

11月のご報告

おにくん(ナイキプラネット 19歳)、ヴァーゲンザイル(17歳)を預託している厩舎みちくさの渡部さんから、11月の近況報告と画像が届きました。

* * * * * *

例年に比べると暖かい11月でした。1日の中で寒暖差が大きく馬着の調整など難しい1ヵ月でした。夕方水桶を温かいお湯に交換すると、美味しそうに飲んでいます。

削蹄、予防接種がありました。

牧草地への放牧を再開して束の間、馬達の額や足の下部などに黄色い漿液(しょうえき)が出て皮膚が悪くなる部分がありました。

以前、おにくんが同じようになった時はフェンス際の雑草や枯れ草を食べた事が原因として考えられました。今年はフェンス際の草刈りも完璧に終えてから出しています。

放牧の様子を観察していると、のびた牧草と一緒に刈り取った後の枯れた牧草を口にしていることもあります。時期は早いですが牧草場へ乾草を配ってみました。馬達は乾草には目もくれず地面の草ばかり食べて殆ど残していました。普段食べている牧草に問題は無いか、何種類か入れている草の割合を変えてこちらでも様子を見ています。

皮膚については最初は塗り薬のみで様子見、変化はありません。次に以前おにくんが同じようになった時と同様、塗り薬を使いながらワンクール抗真菌剤を内服しました。少し良くなりました、やめるとまた元に戻りつつあるように感じます。塗り薬をオゾンクリームから紫雲膏に変えました。合わせて乳酸菌のエクイブリューを、少しではありますがご飯に混ぜるようにしました。少し良くなっている気がします。

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こちらでは近隣で牧草を育てている所の多くは面積も限られているため、ほぼ毎年圃場を更新します。一方、北海道で販売されている牧草の情報を見ると播種経過年数が5年から10年もざらにあり、それにも関わらず雑草は少なく牧草がしっかり育っていることに驚きます。土にもそれぞれ長所と短所がありますが、北海道の農耕地で約6割を占める黒ボク土は、有機物を豊富に含み、水はけと保水性のバランスが取れているため、地力があるとされています。

こちらの農耕地は大半が真砂土です。牧草栽培には土壌条件が不足しており、有機物の投入、pHの調整、適切な施肥管理やマメ科牧草を利用した窒素固定等の土壌改良が必要と言われています。今までは土の表層ばかりを見た圃場の管理を行っていました。いくらやっても土は良くならず、土中環境を観点に入れた土作りが全くできていなかったことに気づきました。

団粒構造に富み、多様な根圏環境、多様な土壌微生物が存在することが土の健康状態を示す指標となります。土中環境を考えるきっかけとして、今年は真夏に行う放牧場の掃除刈りをフレールハーベスタは使わずシュレッダー(草を短く細かくして刈り投げます)を使い、土壌を乾燥させないことに着目しました。すると、秋に放牧場の草を収穫した後でもケンタッキーブルーグラスの生育が良く、馬たちが長く草を楽しめています。

かけられるコストは限られていますが、わずかなことで大きな違いを生むことが分かりました。まずは、団粒構造を作るための有機物である堆肥。同じ馬たちの堆肥ですが、撹拌機も利用し、より適したものになるよう改良しようと思います。

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9月の近況報告でフレールハーベスタについて「刈り取りから脱穀までを一体で行うコンバインの一種」と事務局の方で説明をつけてくださいました。うちで使っているフレールハーベスタは草を短く刈り取りながら並走するワゴンに草を回収するタイプの機種になります。雑草の種をなるべく落とさず、地下茎で増えるケンタッキーブルーグラスを優勢にさせたいこと、掃除刈りをした時期によっては草を刈り投げると猪に地面をボコボコに荒らされてしまうので、時間も手間もかかるのですがフレールハーベスタを選んでいました。

おにくん(ナイキプラネット)

漿液の滲出はおにくんにも見られ、治療中です(事務局追記)。

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おにくんのブーツが壊れて新しいブーツを注文しました。ザイルくんのブーツの後肢も片方球節部分が壊れかかっていたので合わせて頼みました。

おにくんは大型でウエイトもパワーもあるため、一番ブーツを壊します。よりフィットするよう以前のサイズと違う物を試しています。

ブーツを止めるバンドが劣化していると、走った時などブーツがずれ壊れる原因になります。今月は少し摩滅したり傷んでいるバンドを全頭交換しました。これでもう少しブーツを長持ちさせられると思います。

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夜、ねているおでこの見張りをしてくれるおにくん
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完全にミィナになめられてるおにくん、食べている乾草を横から食べられています。

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牧草地の放牧場へ行く準備をしているのに、いつまでもイチョウの木の下でまどろむおにくんとおでこ

 

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削蹄
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おにくんとおでこ

 

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2頭でごろーん

 

ヴァーゲンザイル

漿液の滲出はザイルくんにも見られ治療中です(事務局追記)。

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放牧場へ行く準備を終えたのにおにくんとおでこが全然来ません。早くしてくれと準備万端でおにくんたちを見つめるマロンとザイルくん。いつの間にかミィナもこちらに移動していました。

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ザイルくんの額に薬を塗っていたら、興味津々のミィナ「何ちてるんでちゅか!」
馬も子供は何にでも好奇心旺盛です。

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夕方、お迎えの時間こちらに歩いてくるザイルくん
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FPさんからスイカの贈り物がありました! この時期のスイカにテンションが上がるザイルくん、動きが早くてピントが合った写真が撮れませんでした。

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夕方、相変わらず気持ち良さそうに夕陽を眺めるザイルくん(上の2枚)。夜、雨が降って来て残念そうに外を見るザイルくん(左下)。「これじゃ明日は牧草地に行けないじゃん!」と、こちらに訴えていました(右下)。
 

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削蹄

 

見学について

【重要】訪問予約について(「厩舎みちくさ」さんより)

引退馬協会の会員さんや厩舎みちくさの会員さん以外の一般来場者の見学受け入れを終了することになりました(お預かりしている馬の健康管理上の問題、また、現在こちらの通常業務以外に時間を取ることが難しいため、今後の再開予定はありません)。

そのため、Googleマップの方には既に見学不可と掲載しているので、スマートフォンから電話した時に厩舎みちくさ(見学不可)と表示が出ることがあります。

被災馬(おにくん)とヴァーゲンザイルのFP会員さんの訪問予約は、今まで通り受け付けています。訪問時間は季節ごとに決まっていますが、今まで通りご予約いただけますので、ぜひ2頭に会いに来てください。

※見学は被災馬とヴァーゲンザイルのFP会員および登録のある家族会員のみとなります。詳細は会報をご参照ください。


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[FP会員数・口数]
2025年12月1日現在 

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ヴァーゲンザイル 11名 7口

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被災馬フォスターホースは1頭ずつのフォスターペアレントの募集ではなく、
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