再就職支援プログラム

Reemployment support

引退馬に第二の活躍の場を届ける

有名無名を問わず、「生かしたい一頭」を多くの人が持っています。その想いを遂げられるようにと始まったのが、引退競走馬の 「再就職支援プログラム」。引退した競走馬に対して人とおだやかに暮らすための馴致調教を行うプログラムです。
2011年に開始し、10年以上にわたって取り組みを続けてきました。
プログラムに参加した馬は、「その馬を生かしたい人=馬の紹介者」の想いを叶えるため、人と生きるための約束ごとや、乗馬としての基礎を学び、その間に引退馬協会で馬の適性を見極め、最も適した場所へ無償で譲渡するためのマッチングを行います。

メモリアルドネーション

2022年にナイスネイチャの誕生日に併せて実施した「ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーションでは、最終的に53,012,577円(内クラウドファンディング手数料6,409,261円)のご寄付があり、2022年〜2024年までに第33期生〜第56期生のリトレーニングや療養のための助成を行ってきました。
2024年6月以降は、残高が少なくなっているため馬の療養のための助成のみ、34歳のバースデードネーションのご寄付から支出しています。

再就職支援プログラムの仕組み

競走生活や
繁殖を引退

再就職支援
プログラム

6ヶ月〜1年の
馴致調教

プログラム
卒業

希望者への
譲渡

譲渡にあたっては、引き取り希望の方にお会いしたり、現地を視察し、それぞれの馬にあったところへお譲りしています。また譲渡後も継続的な見守りや必要に応じてフォローを行っています。

再就職プログラムの後にどうなるの?

タッチワールドの場合

生徒たちの良き先生

再就職支援プログラム卒業後は、広島県立西条農業高等学校馬術部に引き取られました。毎日、馬術部の生徒さんたちにお世話をされながら、生徒たちの良き先生として障害馬術大会で活躍しています。

ダブルスターの場合

家族として、コンパニオンとして

かつて競馬場の誘導馬に騎乗し引退していく競走馬に心を寄せていた現オーナー様が、山梨県の自宅で馬を飼うという夢を実現しました。家の窓から庭や馬房の愛馬を眺めながら生活、時には近隣乗馬クラブにて放牧を楽しみ、馬のための林道を外乗し家族として暮しています。

再就職支援プログラムが目指すもの

1頭でも多くの馬が第二・第三の
キャリアを歩めるように

馬のライフサイクルの中で、行き場がなくなり守りきれない馬たちがいます。そんな馬を1頭でも減らすために、第二・第三のキャリアを歩めるようにプログラムを実施しています。

プログラムの中で大事にしていること

個性・適性を重視する

馬も人間と同じように、適したキャリアがあります。その馬の性格や体の状況などの個性やその適性に合わせたプログラムを行います。

その馬を終生見守る

再就職支援プログラムを卒業した馬には医療費助成を提供し、健やかな生活を維持できるようサポートしています。

これまでの卒業生たち

  • ピーエムチャロッコ

    ピーエムチャロッコ

    繋養先|長谷川ライディングファーム(千葉県)

  • オキテ

    オキテ

    繋養先|静内坂本牧場(北海道)

  • プリンセスアイズ

    プリンセスアイズ

    繋養先|「みどりのまきば」黒澤牧場(福島県)

  • ボナンザータービン

    ボナンザータービン

    繋養先|ファーム・クラインガルテン(千葉県)

  • ヒシプレンティ

    ヒシプレンティ

    繋養先|Calm days farm(北海道)

  • ゲイボルグ

    ゲイボルグ

    繋養先|個人の乗馬施設(茨城県)

  • リュウノスター

    リュウノスター

    繋養先|レオナルドダヴィンチ牧場(群馬県)

  • ボナンザーオペラ

    ボナンザーオペラ

    繋養先|ファーム・クラインガルテン(千葉県)

  • カエラチャン

    カエラチャン

    繋養先|関東の高校

「再就職支援プログラム」に
馬を託したい、馬を引き取りたい方へ

プログラムへ馬を入れる条件

  1. このプログラムは、引退馬協会会員の会費やみなさまからのご寄付により成り立っています。プログラムに馬を参加させるためには、当会の活動やプログラムの主旨をご理解いただくために、基本的に一年以上の正会員登録があることが条件となります。紹介馬がプログラムを卒業した後も、正会員として継続して、共にその馬を見守り続けていただきます。
  2. プログラムへ参加される時には、馬の所有権は引退馬協会へ譲渡していただきます。
  3. プログラムを実施している施設までの馬運代及びプログラム開始までにかかる経費はご負担いただきます。
  4. プログラム実施中に、馬の返還を求める場合は、調教にかかった経費全額をご負担いただきます。ただし、卒業後に、譲渡先からやむを得ない事情により返還希望があった場合に引き取りを希望する場合は、引き取りにかかる馬運代のみご負担ください。(事前に返還条項に設定した場合も含む。)
  5. プログラム卒業後に、紹介馬に会いに行く時には、新しい所有者に配慮し、常識ある行動をお願いします。
  6. 紹介馬がプログラムを卒業後、新たに馬を参加登録する場合は、馬を参加させたい方が多い為、一年以上の期間を置いていただきます。

ナイスネイチャ・34歳のバースデードネーションによりプログラムに参加する場合は上記の条件とは一部異なります。

再就職支援プログラムへご関心をお寄せいただきありがとうございます。

当プログラムの理念

当プログラムの参加馬には、それぞれ、その馬を大切に思う紹介者がいます。引退馬協会では、一頭たりとも行方不明にしないという強い信念のもと、終生繋養をすることを前提とし、その趣旨に賛同いただけ る方にのみ譲渡をします。

当プログラムでは、馬と安全に接することができるよう、馬と人の基本的な信頼関係を構築することと、適性を見極めることを目的とし、本格的な乗馬調教は行ってはおりません。

馬は適材適所へ
当プログラムの参加馬は、適材適所に譲渡するため、エントリーしていただいている方の中からその馬の適性にあった方へ譲渡します。エントリーシートのご提出は譲渡を確約するものではありませんので、ご了承ください

譲渡条件

  1. 当プログラムは、一般の調教乗馬売買とは違い、引退馬を支援する非営利活動としての譲渡となるため、転売目的の譲渡は固くお断りいたします。
  2. 参加馬の譲渡は、終生繋養が原則となります。やむを得ない事情により繋養が困難になった場合は、馬を返還していただきます。なお、一部の馬には返還条項を設定させていただくことがあります。
  3. 営利を目的とした乗馬施設への譲渡も可能ですが、その後の再譲渡については制限がございます。
  4. 譲渡が決定した場合は、引退馬協会と譲渡先の間で譲渡契約書を交わさせていただきます。プログラム参加馬の紹介者は、原則として契約の立ち会い人とします。
  5. 譲渡する馬は、無償譲渡ですので、代金の授受はありません。
  6. プログラムを行っている施設から譲渡後の繋養施設までの輸送費は引き取り希望者負担となります。

譲渡予定馬の見学が可能です。見学は当プログラムを行っている施設の営業時間内となります。見学ご希望の際は、あらかじめ引退馬協会本部へご予約をお願いします。

譲渡馬については引き渡しの際、健康手帳に「ハッピーライフカバー」をつけさせていただきます。「ハッピーライフカバー」は、将来、馬の所有権が変わったときにも馬を行方不明にしないための約束事として新しい所有者にも引き継いでいただきます。

当プログラムへの馬の紹介者が、譲渡された繋養場所へ見学にお伺いさせていただくことがございます。

当会代表理事は乗馬関係者のため、ご相談をお受けすることができます。繋養についてお困りのことがある場合はご相談下さい。その他、詳細なお願いにつきましては、馬について個々の性格もありますため、お引き受けいただく方と直接のご相談となります。

引き取り希望エントリーシートのダウンロード

その他の事業

よくある質問

再就職支援プログラムで引き取った馬を繁殖に利用したい

繁殖は馬にとって命がけの仕事です。当会の再就職支援プログラムにより譲渡した馬は、競走、乗用はじめ、いかなる目的の繁殖利用を認めておりません。

再就職支援プログラム卒業生の医療費助成を受けたい

年間10万円までの傷病に対する治療費と整歯代と、それぞれに関わる往診代が申請可能です。駆虫代や予防接種は助成の対象外です。申請書は(URL)よりダウンロードしてください。なお、医療費助成は年ごとに事業の継続を判断するため、将来に渡ってお約束するものではありません。

馬を引き取りたい

再就職支援プログラムの「引き取りエントリーシート」を(こちら)よりダウンロードして提出してください。条件が合えば無償譲渡いたします。その際、譲渡契約を交わさせていただきます。

引き取った馬を第三者への譲渡したい

有償無償を問わず、第三者への譲渡を認めておりません。いったん引退馬協会に戻していただき、譲渡を受けたい方と引退馬協会で譲渡契約を結びます。

馬を託したい

健康であること、怪我がないことを条件に、概ね10歳程度までの馬を受け入れています。馬の状態によって異なりますので、個別の判断となります。

ご支援の方法

Donation

あなたにできる方法で
引退馬を守る・支える

「引退馬を守りたい」そういった方に、様々なご支援をいただいております。
1頭でも多くの馬を支えるためには、あなたのご支援が必要です。
会員や寄付、買い物など、あなたにあった方法でご検討ください。