ナムラタイタン
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暖冬だった今年は雪も少なく、例年より3週間ほど春の訪れが早く感じます。
白老町の社台牧場で余生を過ごす2頭のフォスターホース、スズカコーズウェイ(3月22日で満21歳)とナムラタイタン(5月20日で満19歳)は冬毛に覆われた全身を躍動させながら元気に過ごしています。
3月の樽前山
この日は快晴に恵まれ、溶岩ドームもきれいに見えました
社台牧場さんが引退馬協会からの預託1号馬としてナムラタイタンを預かるようになり、3月6日で丸1年が経ちました。同牧場は長く競走馬の生産に携わってこられましたが、引退高齢馬(養老馬)を扱うことになり、改めて高齢馬の飼養管理についていろいろと学ばれているそうです。
2月18日には一般財団法人TAW(※)のオンライン講習会「引退馬高齢馬等の養老、余生に関する飼養管理」を受講。今後もTAWや牧場に出入りされている獣医師さん他の教えを受けながら、引退高齢馬のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に努めていくとのことです。
*TAW(一般財団法人 Thoroughbred Aftercare and Welfare)
2024年4月、JRAによる「引退競走馬の一時受け入れ施設」として、TAW宇都宮事業所が開設された。TAWでは引退競走馬のセカンドキャリア形成、養老・余生の機会拡充や、馬事振興や乗馬の普及などの取り組みが実践されている。フォスターホースのルックトゥワイスは2020年2月に競走生活を引退し、JRAの引退競走馬の一時受け入れのテストケースとして同所で過ごしている。宇都宮の施設で去勢を行い体調を整えた後、2020年4月に預託先の乗馬倶楽部イグレットへ移動した。
[TAW 公式サイト]https://taw.or.jp/
通路側から見たタイタンの放牧地
左端、木の向こうにコーズウェイ
通路側から見たコーズウェイの放牧地
右奥にタイタン
まだ湿った雪が積もることもありますが、日中は気温10°Cを超える4月を思わせる暖かさで雪はすぐに解けてしまいます。放牧地の地盤が凍ったり、ぬかるんだりするこの時期は蹄葉炎に注意が必要なので、脚元のチェックや、運動不足にならないよう飼料管理に気をつけています。
現在は7時〜15時過ぎまで放牧していますが、スズカコーズウェイの放牧地は(縦90m×横95m)、ナムラタイタンの放牧地は(縦100m×横90m)とどちらも約一町歩(3000坪、約1万㎡)近い広さがあります。
2頭の厩舎(旧種馬厩舎)は広大な放牧地に隣接しています
全身冬毛に覆われモコモコです
社台牧場に移動して丸1年が経ったナムラタイタン。放牧地で目が合うと挨拶に来てくれたり、馬房でもしっかりと顔を出してくれるので、スズカコーズウェイより人懐っこい性格だと思います。
[動画]
フレンドリーなタイタン
顎下の瘤は冬毛に覆われて大きく見えますが、変化はありません
顎下の瘤(良性の腫瘍)は冬毛に覆われ、見た目は大きくなったようにも見えますが変化は無いのでご安心ください。
2月19日には削蹄を行い、この日の馬体重は574kgでした。現役時代は530kg前後で走っていたので、こちらも種牡馬時代の体格をキープしています。
食欲旺盛です
スズカコーズウェイは、今年から「功労馬繋養支援事業(昨年までは引退名馬繋養展示事業)」の対象馬になりました。2月14日にはジャパンスタッドブックインターナショナルより馬名プレートが届きました。
2月19日には削蹄を行い、この日の馬体重は522kgでした。現役時代は480kg前後で走っていましたが、種牡馬を経験すると30〜40kgは増量するので、ほぼ種牡馬時代と変わらない体格をキープしていると言えます。
水もごくごく飲んでいます
[動画]スズカコーズウェイ 馬房で爆食中
食事中失礼しました!
この時期、放牧地の北側(砂利道)はぬかるんだ凸凹路面になってるので通行には注意が必要です。見学の方は手前の駐車スペースに車を停めて、歩いて見学エリアへ向かってください。
放牧地と砂利道の間には水路が通っていてカエルや昆虫がいるので、最近はシラサギ(ダイサギ?)が餌場として利用しているようです。運が良ければ牧柵の上で羽を休めるシラサギとスズカコーズウェイを一緒に撮影できるかもしれません。
[動画]
コーズウェイは投げ草に集中
放牧地にやって来たシラサギ(ダイサギ?)
【ナムラタイタン産駒】
ナムラタイタンは現1歳が最終世代。種牡馬として7年間供用されましたが、昨年は5年目世代の産駒・ショウガマッタナシ(牝3歳)が重賞・ネクストスター金沢を優勝しています。現在は休養中のようですが、4/16のノトキリシマ賞(牝馬限定)や4/28の北日本新聞杯など3歳路線の重賞も始まります。6/9の石川優駿(石川ダービー)制覇を目指して頑張って欲しいですね。
【スズカコーズウェイ産駒】
スズカコーズウェイ産駒初のJRA重賞制覇を果たしたサンデーファンデー(牡5歳)は、2月23日のフェブラリーステークス(G1)に出走。残念ながら10着に敗れましたが、サンデーファンデーは「4回コーナーを回る1800m戦」を得意としていて、ここまでの6勝は全て1800m戦。お爺さん(母の父)のスマートボーイも1800mの重賞を5勝していますが、うち4戦が馬連万馬券という“1800mスペシャリスト”の血統。今後も1800m戦に出て来た時はぜひ注目してみてください。
全国で頑張る2頭の産駒に応援よろしくお願いします。
会員見学
●会員見学予約
一般見学
2024年後期に「引退名馬」(引退名馬繋養展示事業)対象馬となり、7月1日より一般向けの見学を開始しました。
見学の申し込みなど詳細については、「引退名馬」ナムラタイタンのページをご参照ください。
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