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渡辺牧場さんから、ナイスゴールド(3月30日で満27歳)とモアザンベスト(4月25日で満23歳)の近況報告が届きました。
浦河では長く厳しかった冬もようやく終わりを迎え、春の訪れが近づいているようです。
* * *
振り返るとこの冬は極寒用馬服を着せることが少なかったので、やはり暖かかったのだなぁと思います。
今年はフキノトウが例年より早く3月上旬から咲き始めています。白鳥がVの字を作って渡って行くのを見ました。暖かい日があったり寒い日があったりを繰り返しながら、確実に春が訪れつつあるのを感じています。
2月17日に整歯を受けました。ゴールドはなぜかわかりませんが、上の前歯が4本しかありません。また、削癖がないのに、異様に上の前歯が短く減っており不思議な状態です。歯茎は腫れており発赤が見られるそうです。レントゲンの結果からも、EORTH(イーロス)※という病気に罹っているそうです。奥歯下の歯の一番手前が両方抜けており、噛み合わせる相手の歯が無いため、その部分の上の歯が伸びていたので削って下さいました。
ナイスゴールド歯のレントゲン検査
ナイスゴールドの上の前歯は4本しかない
放牧地では落ち着いて過ごせていますが、馬房では熊癖(ゆうへき)していることが多く、夜間も監視カメラで見る度に食べている姿より熊癖しているところばかり見るという状況でした。飼い葉も残し食欲がかなり落ちて体重も減ったため、胃潰瘍の薬を飲ませましたが効果は感じられませんでした。
会員M様からハーボールを食べさせてもらうナイスゴールドとマキヒメ 2月24日
もっとちょうだいと詰め寄る?ナイスゴールドたち
会員M様撮影 2月24日
会員M様 撮影
馬房でのみイライラしている状況から考えて、マキヒメが近いと落ち着くのではないかと思い、3月5日からマキヒメをナイスゴールドの隣の広い馬房に移し、間の壁の板を顔の出せる範囲だけ取り外して窓を作り開放しました。
マキヒメもナイスゴールドほどではないですが、食欲が落ちていたので、マキヒメにとっても良い影響があればいいなと思いました。
ナイスゴールド
ハーボールを食べるナイスゴールド
すると、ナイスゴールドにはてきめんに効果があり、落ち着いて飼い葉を食べるようになりました。熊癖は朝方になるとしますが、夜中には見られなくなり、効果の大きさを感じました。
窓を開けた馬房(上)、フェンスをかけた状態(下)
しかし、ナイスゴールドがマキヒメの馬房にしっかり顔を出していると、弱い立場のマキヒメが却って落ち着かないことと、隠れて青草をあげられないことから、窓に軽いフェンスをかけて、姿は見えるが顔は出せないようにしてみました。
夜間の監視カメラより マキヒメ(左)と窓から顔を出すナイスゴールド
マキヒメは死角になるところで青草を食べられるようになり、また、ナイスゴールドは顔が出せなくなっても姿が見えるからでしょう、全くフェンスに動じず落ち着いた状態を保てています。
マキヒメも少しずつ食欲が回復していますので、このまま続けたいと思います。
2月19日と3月6日にモアちゃん宛に生牧草をいただきました。それぞれのお方から「モアちゃんが可愛すぎるのでFP会員になりました。」「モアちゃん可愛いなあと、デレデレになっています。癒されています。」という温かいメッセージをいただき、とても嬉しくなりました。モアちゃんは美味しそうに夢中で食べていました。
生牧草を食べるモアちゃん
時々雪が積もってもすぐに解ける程度だったので、いつも放牧地のずっと向こうまで遠出して地面から生えた短い枯れた色の草をついばんでいました。雪解けの泥々のところで連日のようにゴロンゴロンして泥んこになって帰って来た日も多かったです。
会員M様撮影 モアちゃんとバイラー 2月24日
放牧地の奥の方まで行っています 3月14日
2月17日に整歯を受けました。モアちゃんも歯茎が腫れており、EORTH(イーロス)※という病気に罹っているそうです。中程度以上ということです。治療方法は抜歯するしかないそうですが、現在の状態ではそこまで踏み切れず、今後の様子を見ながら獣医さんと引退馬協会さんと相談していこうと考えています。奥歯は良い状態で少し削って下さいました。
モアちゃん歯のレントゲン検査
尖ったところを削っていただきました
2月28日には削蹄をしていただきました。また、クッシング病の飲み薬は継続して飲んでおり、素直におりこうさんに飲んでいます。近況報告用の写真を撮りに放牧地に入ると、必ずと言っていいほど近づいてきてくれます。人懐こくて可愛いです。
人にすぐに近づいて来ます 3月15日
向こうでバイラーがゴロンゴロン
何度でも近寄って来るモアちゃん
※ EOTRH (Equine Odontoclastic Tooth Resorption and Hypercementosis)
(ウマ破歯細胞性再吸収およびセメント質肥大症)
は、馬の切歯と犬歯において歯の吸収やセメント質肥大を起こし、強い疼痛を伴う疾患で、高齢馬に多い。
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ナイスネイチャの誕生日に合わせて引退馬支援のご寄付を募るバースデードネーションを、今年は「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2024」として開催いたしました。
「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2024」
開催期間:2024年4月16日ー5月15日
テーマは「引退繁殖馬支援 part2」。
「33歳のバースデードネーション」(2021年)の引退繁殖馬支援に続き、
対象を緩和して「引退繁殖馬」の支援につなげてまいります。
たくさんのあたたかなご支援をありがとうございます。
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