7月末日、乗馬倶楽部イグレットさんを訪ねました。夏時間で営業中のイグレットでは、4時から1日が始まります。放牧は早朝4時すぎから。フォスターホース4頭は、順番に柵のある馬場での放牧となります。
やんちゃなルックトゥワイスやクレスコグランドは馬場内で走りまわって発散したりしていますが、天候がよくないときや馬場が混んでいるときは、運動はウォーキングマシンで別メニューということもあります。
サポートホースのサーチエネミー(左)と
再就職支援プログラム受講生のノーブルマーズ(右)
上の写真は放牧中のひととき。「自由人」サーチエネミーがいろいろな馬にご挨拶。収牧の時間(=朝飼いの時間)になると「自由人」たちは一斉に厩舎に戻ります。馬場に出ていた馬たちも収牧となり、ご飯タイムです。
イグレットさんの馬たちは、朝と昼に基本飼料(ふすま、とうもろこし、大豆かす、麦、ビートに塩、ミネラル、ファイバープロテクトを加えたもの)を、そして早朝、お昼前、午後に乾草を給餌されています。
基本飼料の配合は1頭ずつ異なります。たとえばクレスコグランドには、整腸作用のあるファイバープロテクトを他の馬より多めに。そしてフォスターホース4頭とも、麦の代わりに穀物を含まない特別飼料が与えられています。
馬の名前が書かれた飼い桶に
それぞれの配合でいろいろな飼料を入れていきます
馬によってサプリメントなども加え、
全体をよく混ぜて基本飼料が完成
コアレスピューマ
変わらず元気に過ごしています。最近、カメラを向けると舌を出したり、首をかしげたり、いわゆる「カワイイ顔」をしてくれることが増えたように思います。
変顔の名手・ルックに対抗しているわけではないのでしょうが、ピューマもなかなかやんちゃな気配。そばにいると「遊ぼう!」の甘噛み攻撃も飛んできたりして、いろいろな表情を見せてくれます。
イケメンピューマくん
[動画]ご機嫌♪ピューマくん
お昼前の乾草待ち。ピューマがソワソワ
[動画]ご飯待ちのピューマ&グランド
ルックトゥワイス
外に出ると相変わらず立ち上がったり、元気いっぱい。馬房では落ち着いて過ごしています。
以前から馬房の壁にお尻をつけて、かゆい箇所をかいたりしていましたが、最近は胴や首、顔にもかゆいところがあるようす。真菌性のものかアレルギーによるものか原因がまだはっきりしませんが、対処していくとのことです。
後肢の上に歯をあててかいています
仔馬のように体がやわらかい!
ルックはいつもチャキチャキとした動きでじっとしていない印象がありますが、食べるときはゆっくり、静かに楽しむタイプです。隣りの馬房のクレスコグランドが食べるのが早く、乾草を食べるときもじっとしていないので、ご飯のときはルックがおとなしく見えます。食べ方も上品です。
マイペースで食べるルック
[動画]乾草を味わうルックトゥワイス
クレスコグランド
2022年4月にイグレットへやってきたグランド。環境に慣れた頃、ちょうど1年前の昨夏は、喉詰まりを起こして大変でした(
2022年8月「しらさぎだより」)。
その後、順調に回復し元通り食べられるようになりましたが、大食い&早食いは変わらず。乾草は早食い防止効果のあるヘイネットに入れて与え、基本飼料には整腸効果のあるものを他の馬よりたくさん混ぜてもらっています。
グランドのヘイネットが新しいものになっていました。前より大きく、そして丈夫そうなトートバッグタイプです。
ヘイネットと格闘中。表情は真剣です
[動画]クレスコグランド 大きなヘイネットでお食事中
ネットから少しずつしか取り出せないので、草を噛んで激しくヘッドバンギング!
ネットを振り回しながら乾草を食べています。外に出ると、ワイルドに立ち回るようになってきたグランド。「俺様」な態度は、ヘイネットのストレス解消だったりして?!
ヘイネットに乾草を入れるときから
大騒ぎのグランド
タービランス
6月30日に去勢手術を行いました。タービランスは片側性陰嚢(睾丸の1つが奥に入っている状態)ということが事前の検査で判明しており、施術は一般的な去勢手術より難しいとされるため、手術の時期と場所を検討しておりました。
そして、タービランスは手術のために移動することもなく、イグレットの敷地内で施術されました。近年は馬を立たせたまま短時間で去勢手術を行うことが多くなってきていますが、タービランスのケースは全身麻酔も必要なため、屋外の安全な場所で横臥させての施術となりました。手術は無事成功、術後も順調です。
麻酔から覚めた直後のタービランスは慌てず騒がず、とても落ち着いていたとのこと。麻酔が覚めてまず上半身だけを起こし、自分が今、どこにいてどのような状況にあるのか、しっかり確認していたそうです。タービランスの賢さがよくわかるエピソードですね。
マイペースで放牧中
[動画]馬場でまったり タービランス
去勢手術の後はどの馬も痩せるといいますが、タービランスも少し痩せたものの、よく動きよく食べて、今は健康そのもの。術後ひと月が経ち、元に戻りつつあります。放牧時も悠然と草を探したり、歩いたり。元気に過ごしています。
馬房から外に出るときは牝馬3頭の前を通るので、今までは牡らしくバタバタしていたのですが、この日は悠々と落ち着いて引かれていました。せん馬となったタビくん(タービランスの愛称)を、これからもよろしくお願いいたします!
馬場に放牧した直後のタビくん
[動画]タービランス 馬場でのんびり&鼻ドン
乗馬俱楽部イグレット 夏時間のお知らせ
コアレスピューマ、ルックトゥワイス、クレスコグランド、タービランスの繋養先の乗馬倶楽部イグレットは、猛暑からの人馬保護のため、9月11日(月)まで夏時間で営業しております(予定。翌12日は定休日の火曜です)。それに伴い、見学時間も以下に変更いたします。
○見学時間:8:00~12:00(火曜定休。火曜が祝日の場合は翌水曜休み)
見学・訪問について
1)見学・訪問は基本的に引退馬協会の会員を対象としておりますが、
引退名馬繋養展示事業の適用馬であるルックトゥワイス、クレスコグランドは一般見学も可能です。
2)会員の方は、前日までに直接「乗馬倶楽部イグレット」へ会員種別とID番号を伝えて
予約してください。変更があるときは早めにご連絡ください。
一般の方(ルックトゥワイス、クレスコグランドの見学)は、
「競走馬のふるさと案内所」で見学情報をご確認の上、事前にご予約をお願いいたします。
3)場内へ入られる前に、必ず事務所にお立ち寄りください。
ご訪問の際には会員ID証をお持ちいただき、受付で提示してください。
会員ID証をお配りしていない賛同会員様はその旨を受付にてお伝えください。
4)馬におやつをあげる時には必ずクラブのスタッフの指示に従ってください。
5)感染症予防のため、ご来場は少人数で、お話されるときは距離を保っていただき
発熱のような症状がある方は見学をご遠慮いただくなど、
引き続き、感染防止対策に十分ご配慮ください。
ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
余生を支えてくださるFP会員募集中です
2023/8/1 現在
コアレスピューマ 39名 22.5口 残 57.5口
ルックトゥワイス 56名 37口 残 43口
クレスコグランド 23名 17口 残 63口
タービランス 17名 11.5口 残 68.5口
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