浦河にも雪が降り、本格的な冬が訪れたようです。渡辺さんから届いた、ナイスネイチャ、ナイスゴールド、モアザンベストの近況報告をお届けします。
近況報告
今年最後の近況報告です。今年も大変お世話になりました。
お陰様でナイスネイチャをはじめ、ナイスゴールド、モアザンベストも元気に新しい年を迎えられそうです。誠にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
浦河では12月15日以降に降った雪で、現在は7cm前後の積雪です。放牧地ごとに牧草ロールを置きました。12月20日の早朝は外気温がマイナス17℃と真冬の寒さでした。
天気予報で発表される最低気温は、曇るとほぼその通りになりますが、晴れると放射冷却のため、予報よりかなり低くなります。気温だけでなく、晴れるかどうかも考慮して、夜間に薄手の馬服を着せておくか中間厚さにするかを決めます。ちなみに20日の早朝は本厩舎の中の気温がマイナス3℃でした。
ナイスネイチャ
ナイスネイチャは粉の飼い葉をお湯で湿らせて離乳食のようにしてあげていますが、夜飼いの時には気慰めの意味で、別の桶に切り草(乾草を数cmに切ったもの)を置いていました。まさにチューインガムのようで、朝になると切り草を噛み出した塊がいくつも落ちていました。
12月に入ってから相棒メテオシャワー宛に生牧草(青草)をいただきました。
ナイスネイチャは今夏、放牧地で青草をたくさん噛み出していたことと、昨冬、いただいた生牧草をほぼ100パーセントに近いくらい噛み出していたことから、この生牧草を食べる(飲み込む)ことはできないと思っていました。それでも青汁だけでも味わえればと思い、夜飼いの時に切り草と並べて置いておきました。
すると、切り草(乾草)には一切口を付けず、青草の桶は空になっており、青草を噛み出した塊はほんの少しだけ落ちていました。
最初の頃はまぐれかな???と半信半疑でしたが、その後も生牧草をいただくことがあると、試してみましたが、どうも今冬のナイスネイチャは8割くらいは飲み込めていると確認できました。
青草をほとんど食べることができていました!
ナイスネイチャが最後に歯を見ていただいたのが、ここ1年以内だったように思いますが、その時に「年齢の割に歯はしっかりしていて、奥歯はまだ残っている」とのことでした。その奥歯が尖っていて、内頬に当たると痛いのでしっかり噛みしめることができないのでした。
ナイスネイチャ(メンコ姿)とメテオシャワー 12月19日
それが、ここへ来て、青草の食べ方がそんなに劇的に変わるということは、その尖った奥歯のどれかが抜けたのではないかと考えられるそうです。
尖っていたものが自然に丸くなることは考えにくく、抜けておかしくない年齢ということから、噛むのに邪魔していた歯が自然に抜けて、青草を噛んで飲み込めるようになった可能性が高いようです。なんにせよ、嬉しい変化です!!
※事務局注
ナイスネイチャは高齢のため鎮静剤の使用を避けていることもあり、尖った奥歯の治療が難しく、餌の工夫をすることにより対応しています。
ナイスゴールド
12月なのに、1月、2月並みの寒波が来て寒さが厳しくなりました。それでもナイスゴールドとマキヒメの馬房は壁にも戸にも天井にも断熱材が入っている上、彼ら自身の息で暖房のような効果が得られ、夜間も馬服無しで過ごしています。
1日に少量なら人参を食べてもよいとのことで、会員さんが来られたタイミングにちょうどお昼の飼い葉を食べるため馬房に入っている場合は、会員さんから食べさせてもらいました。
放牧地の地面が雨でドロドロになり、蹄の跡で凸凹になっていたのが、今度はガチガチに凍って歩きづらい状態でした。それが12月15日に降った雪のお陰でとても歩きやすく、駆けやすくなりました。
そして、ゴールドとマキヒメの放牧地にも中央より少し奥の方に二番草の牧草ロールを1個設置しました。朝、放牧すると、2頭でダッシュして牧草ロールのところまで行き、早速、ロールから乾草を咥え引っ張り出して食べています。
ナイスゴールド(黒)とマキヒメ(藤色) 12月18日
寒さが厳しい日は、極寒用の厚手の馬服を着せて放牧しています。ナイスゴールドの極寒用の馬服は黒地に赤の縁取りで、過去にヤエノムテキ会の会長さんが愛馬マイネルナチュラルのために購入された未使用のものをナチュラルが一度も使わないまま亡くなったため、ご厚意で下さったものです。
一方、ゴールドの中間厚さの馬服はラズベリー色(藤色)でしたが、このラズベリー色と全く同じ生地で中綿の量が倍くらい多い極寒用のものをマキヒメが使っています。
写真をご覧になって、あれ?と思われるかと思い、ご説明させていただきました。ゴールドもマキヒメも暖かそうです。
モアザンベスト
12月15日にゴールドの会員さんが来られた時に、モアちゃんも相棒のアルちゃんと人参を食べさせてもらいました。この時に次第に雪の降り方が強くなってきて、これはもう厩舎に入れるべきかなと思い、その後、全馬を入れました。
着ている馬服の上にけっこうな量の雪が積もってしまい、車用のスノーブラシで1頭1頭の雪を払っていきました。スノーブラシは雪払いにとても重宝しています。
モアちゃんに引退馬協会さんが極寒用の新しい馬服を購入して下さいました。ノーザンレイクさんのメイショウドトウの馬服とお揃いとのこと、とても可愛いチェック柄です。
10月28日の整歯の時に、モアちゃんの前歯は歯の疾患「EOTRH」(Equine Odontoclastic Tooth Resorption and Hypercementosis)の可能性があると獣医さんに指摘されていたため、12月15日に前歯のレントゲンを撮っていただきました。
「EOTRH」は、馬の切歯(前歯)と犬歯において歯の吸収やセメント質肥大を起こす疾患で、馬では2004年に初めて報告された比較的新しい疾患とのことです。(エルムホースクリニックのホームページより抜粋)
口にレントゲン用のパネルを咥えさせて撮るのですが、抵抗が強かったため鎮静剤を使用しました。結果は前歯上下全12本ともEOTRHの症状があるとのことでした。完全な治療方法は抜歯しかないそうですが、抜歯するほどかどうかは、痛みがあるかどうかとの相談になるそうです。
モアちゃんは、現状は「痛みが強い、飼い食いが悪い」などの症状は無いように思いますので、抜歯には至らず経過を観察していくことになりました。モアちゃんが人参片を食べる時に、噛み方が若干弱いように感じていました。もしかしたら、その病気と関係があるのかもしれません。
会員さんと馬の特徴について話していて、モアちゃんは目と目の間に渦巻きが2つある「珠目二(しゅもくに)」だと気付きました。私がこれまで見た中ではあまり記憶になく、少ないのではないかと思います。
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次回の更新は2023年1月6日(金)を予定しています。
お楽しみに!
渡辺牧場へ移動する前のエイシンルーデンスの近況報告は
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2022年12月21日現在ナイスネイチャ 211人 142口ナイスゴールド 58名 39口 残口41口
モアザンベスト 13名 8.5口 残口71.5口
ナイスネイチャの受付は一時停止しています。
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ナイスゴールドと
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開催期間 2020年4月16日~5月15日
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