情報を探す

    渡辺牧場だより

7月15日 近況のご報告

渡辺牧場さんから近況報告が届きました。ナイスゴールド、モアザンベスト(24歳)、2025年10月に沖田忠幸牧場から移動してきたエアリカコ(27歳)とミラキュラス(24歳)、2026年3月に入厩したマイネリスペクト(18歳)のようすをお伝えします。

* * *

近況報告

6月22、23日頃は寒いくらいで、東京から来られたお客様が「途中で上着を買いました」と仰っていたくらいでした。しかし、6月25日には暑くなってアブが出始め、馬たちは放牧地の出入口に戻って来て険しい表情でバタバタするようになりました。

この日から朝3時過ぎに放牧を始めるようになりました。暑さはまだ今のところ一時的ですが、アブは我慢できないため、日中の辛い時間帯は厩舎に避難させています。厩舎に入るとひんやりして薄暗いため、馬についてきていたアブも殆ど外に出て行きます。曇って涼しくなると再び放牧していますが、天気模様に翻弄されています。


ナイスゴールド

6月16日にキース装蹄師さんが来られ、特殊装蹄の一部を少し削り取って調整してくださいました。6月終わりから7月初めにかけて、とても調子が良さそうで、放牧地に迎えに行くとマキヒメと一緒にダッシュして駆け寄って来たことが2回あり、その駆け方が近年は見られなかったくらいの勢いがあり、「こんなに走れるんだ!」と感激していました。

51edadc05d95a99a8aa2615aae92c4e5-1784050289.jpg
会員M様撮影 ナイスゴールド 6月15日
09e4803d719ef145daba05a69278c419-1784050324.jpg
会員M様撮影(左からナイスゴールド、マキヒメ)

その後、7月8日にキース装蹄師さんが改装に来てくださいました。
前回の装具を剥がしたところで獣医さんがレントゲンを撮ってくださいました。レントゲン写真からキースさんがおっしゃるには「昨年よりも良い状態」とのことでした。5月に痛い思いをさせてしまっていただけにホッとしました。

48a0dd183c3c62a53ea4fc67402b0447-1784050383.jpg
会員様の手を舐めるナイスゴールド 6月22日

この日は改装してから歩かせて不具合があるとわかると剥がしてやり直してくださり、10日にも来られて仕上げてくださり、13日にも立ち寄って歩様を確認してくださいました。

991ac793520383cfbc9b67c8fb9f3ff5-1784050410.jpg
夜明け前に放牧。前夜の満月を背景に(左からナイスゴールド、マキヒメ)
b9361ef8a8c86c26ec9a8fb33d7354fb-1784050521.jpg
小さく写った満月とナイスゴールド

キースさんは今回は4人で来てくださり、手分けして材料を加工しておられました。こちらは1人が保定役、私と牧場長(主人)はナイスゴールドの左右に立ってサシバエを払う役をしました。
処置の途中でナイスゴールドは片方の脚を上げなければならず、もう片方だけで立ち続けるのは痛くてつらい場面もあったと思います。ナイスゴールドは何度も脚を下ろそうとしましたが乾くまで下ろすわけにいかない場面が何度かあり、肩のあたりの血管が浮き出るくらい辛そうな時もありました。

1fbcbeec4ca7058d7e04612afdfdbb81-1784050654.jpg
お昼の飼い葉を食べるナイスゴールド 7月6日

ナイスゴールドは2日間で合計6時間の長時間の処置を頑張り続けてくれました。いつも拝見しながら、とても難しく、すごい技術だと思います。また、特殊装蹄専門のキース装蹄師さんに処置していただくことは贅沢なことと思われるかもしれませんが、ナイスゴールドの場合は蹄葉炎の程度が重症のため、この処置が受けられなければ、おそらく今生きてはいないと、そばでずっと見てきてそう思います。

b862b659172610e613228cd56baa2b9d-1784050681.jpg
両前の蹄の改装 7月8日

このような特殊装蹄を定期的に受け続けさせていただけることについて、キースさん御一行に心から感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。そして同時に、ナイスゴールドにかかる費用を快く出してくださる引退馬協会様とご支援くださる会員の皆様にも心から感謝申し上げます。誠にありがとうございます。

 

モアザンベスト

モアちゃんの使っている広い放牧地は6月中旬に刈ってすっきりしました。アブが出そうな日には会員様からのプレゼントのゼブラ(シマウマ)柄の虫除け馬服を着せて放牧しています。モアちゃんはクッシング病なので汗をかきやすいのですが、これは薄くて軽いので今の気温下で快適そうです。他の馬たちが出入口に戻って来ていてもモアちゃんだけ100mくらい先でまだ草を食んでいたことが何度もありました。

ba9c5ec04987ee693c11458644f70f11-1784050731.jpg
ゼブラ柄の虫除け馬服を着たモアちゃん(左) 7月7日
cc6826183e62c47c21fd23a52ffa789a-1784050785.jpg
7月8日早朝放牧後の幻想的な風景(モアちゃんは右から3番目)

その後もプリンちゃん(プリティプリン)と仲良く一緒に並んで草を食べているところを見かけました。モアちゃんは大きな馬体である一方、プリンちゃんは体高が低いので、「モアちゃんが優しいお姉さん」「プリンちゃんがお姉さんを慕っている妹」という感じに見えました。

e244a93bb1f155f35337e8315537fb1e-1784050904.jpg
会員S様撮影 モアちゃん 6月19日

この頃はアブや暑さを避けるため、日中に一度は厩舎に入れる日が殆どです。モアちゃんが再放牧される時には青草(糖質)制限のため狭い方の放牧地に放され、そこではケイウンネイチャーと一緒に過ごします。ケイウンネイチャーとは上下関係があり、モアちゃんの方が弱いので、そばで並んで草を食む姿は見られません。

598b350e8e2e20b6d284a6ae3b71a1ee-1784050941.jpg
涼しい時間帯に放牧地で過ごすモアちゃん 7月10日
05e9249647660c43be3981600b6f543e-1784050966.jpg
51de842b499e344c53f8cda66179b638-1784050982.jpg
7d2d93419b6c1ab0b1286014f3be31b9-1784050995.jpg

 

エアリカコ

斜めになって立っているのは変わりないのですが、腰を「ません棒」や牧柵にもたれさせている時間が長く、弱々しく見えて心配な頃がありました。
朝、放牧地に着いて曳き手(綱)を外すと、リカコはそのまま遠くをじーっと見て立っていたり、その後ゆっくり歩き出したりすることが多いのですが、ある日、先に奥に向かって歩いて行ったミラキュラスの方に力強くダッシュして走って行く姿を見て、「そんな力があったんだ⋯」とホッとしました。

541bd707e46e87717682cffa11678a15-1784051015.jpg
左からミラキュラス、エアリカコ 7月8日朝

7月14日に他の馬の診察の機会があり、リカコも東洋医学の獣医さんの診察を受けました。厩舎の廊下を歩かせても軽く走らせても斜めにならずしっかりした動きでした。以前にもこんなことがあったと思い、私は「先生の前だとしっかりしますね(汗)」と嬉しくも不思議な気持ちをお伝えしました。
獣医さんは「毛艶もいいですね。太り方もちょうどいいです」とおっしゃったので、ホッとしました。

2aab3a041e5fd4381e264510d080d03d-1784051159.jpg
水を飲みに来たリカコ(左)とミラちゃん(右)7月8日
213da24884e9e020dbb80a76c9e3c8e3-1784051206.jpg

馬房では一度も横になって寝ることはなく立ち続けているので「立ち上がるのに自信がないのかな」と思っていますが、放牧地ではゴロンゴロンして立ち上がれています。

e43efbef5dff3846d03dc14c15076566-1784051246.jpg
水を飲んだ後の口元が可愛い
204b3460e3a7d581a661ada4c1b021c4-1784051312.jpg

両後肢のケイクン(皮膚炎)の部分が広範囲です。毎夕、オゾン水で洗って塗り薬を塗っていますが、同じ薬を続けると効かなくなるような気がしているため、前の薬がなくなったところで現在は別の塗り薬を塗っています。

e1853927d751d81b71483ef0e04be8f7-1784051384.jpg
後肢には塗り薬を塗ってあります 7月10日

食欲はありますが、朝だけは早く外に行きたい気持ちが勝り、イライラして食べる心境ではないことが多いです。後で放牧地に食べ残しを持っていくとペロッと平らげています。

be8d059437d4138a17c7b8bd864b1e07-1784051443.jpg
放牧地で朝の飼い葉を食べるリカコ 7月10日

 

ミラキュラス

リカコとともに運動した方がいいということで、厩舎から200mくらい離れた遠くにある広めの放牧地を主に使うようになりました。
6月中旬に、ここの食べ残しの一番草を全て刈り取りました。作業中はトラクターが出入りするため、また、刈った後10日くらいは食べる草が乏しいので、新しく二番草が伸びてくるまでは一つ手前の狭い放牧地で過ごしていました。

b99553ae48758cc079f089d053ad739e-1784051472.jpg
爽やかな朝のミラキュラス 7月5日
adab80ba23b12248e696bc24444cd8f2-1784051548.jpg
ミラキュラス(左)とエアリカコ(右)

ミラちゃんの体は黒いので太陽熱で温まりやすく、アブが出始めると集中的に攻撃されやすくなります。お腹の下にアブが沢山ついていることがあり、後肢で払おうとしても届かず、ミラちゃんの尻尾は短くてやはり届きません。アブが出始めると、ナイスゴールドとマキヒメのペアの次に早めにミラちゃんとリカコのペアを収牧しています。

d86784ee2cdac2563e68a3cabcffc46a-1784051600.jpg
近寄って来るミラちゃん。右はリカコ 7月8日

早くアブから救出してあげようと急いで迎えに行くと、リカコは放牧地の出入口で迎えを待っていますが、ミラちゃんは放牧地の中ほどでアブの攻撃に耐えながらも草を食べていたり、簡易牧柵を挟んだ隣にいるヤマト(トガシヤマト)とグリちゃん(ケイウングリッター)の方を好意的な眼差しで見つめていたり、メンタルの強さを感じます。

9dfad0c958ba91c411065604eae04f60-1784051639.jpg
ミラキュラス 7月8日

前回の報告で書きました咳はしばらく続きましたが、今は全くしなくなっています。また、リカコと同様に両後肢のケイクン(皮膚炎)の部分が広範囲です。毎夕、オゾン水で洗って塗り薬を塗っていますが、同じ薬を続けると効かなくなるような気がしているため、前の薬がなくなったところで現在は別の塗り薬を塗っています。

7e9f18f663eac8c70ff3b031015a3900-1784051732.jpg
水を飲むミラちゃん 7月8日

先日は気温が高かったので全身を馬用のシャンプーで丸洗いしました。シャワーを浴びながらミラちゃんは口をパクパクしていました。

55272b61c21f6f5c4a5847c4553445bd-1784051767.jpg
全身丸洗いのミラちゃん 7月11日

 

マイネリスペクト

7月7日に急に左前肢を地面に着けるのが辛いくらい跛行するようになりました。原因が蹄なのかと、(蹄の)裏を掘って検蹄器で痛い箇所をあちこち調べましたが痛くないようでした。6年前に蹄葉炎の治療のための手術を受けたという箇所は少し熱感があり脈が張っていましたが痛みはないようでした。

e655b2de50bafd8be092df3673f329e1-1784051791.jpg
会員M様撮影 マイネリスペクト 6月15日

獣医さんが診察してあちこち触って調べてくださり、消炎鎮痛剤を注射してくださいました。翌日は一日舎飼いになり、初めは厩舎に取り残されて寂しがって嘶いていましたが、次第に諦めて落ち着いていきました。数時間後には暑さで他の馬たちも厩舎に戻ったため、普段と変わらない状況で過ごせました。

32a6501522eda455beadad72873cd9a9-1784051880.jpg
会員T様撮影 左からオーちゃん、バイラー(ヴィエントバイラー)、リスちゃん

翌朝には跛行がかなり良くなっていました。狭いところに放牧すると却って大騒ぎして走り回ったことが入厩当初にありましたので、穏やかに過ごせるよういつものところに放牧しました。舎飼い明けでしたが、まだ薄暗い時間の放牧だったため、興奮して走ることもありませんでした。2日目も消炎鎮痛剤を注射していただき、その後はいつも通りに過ごしています。

d030c5a42c8a25692c9f15b35a394252-1784052269.jpg
オーちゃん(右)と仲良しリスちゃん(左)
503ee885cffc118372b4cc27b1afbe38-1784052275.jpg

その後も少し左前が痛そうな時があり、肩に痛みがある可能性を調べていただくため14日に東洋医学の先生の診察を受けました。
触診の結果や歩様検査から蹄についてのアドバイスを受け、蹄骨のレントゲン検査を受けて削蹄の参考にするといいとのことでしたので、近くお願いしようと思います。

198781bcf54c4dace37e4a8cab8d5787-1784052332.jpg
左からリスちゃん、オーちゃん
3c77cc439c82aac786fa850aaa289921-1784052345.jpg

9日、11日にリスちゃんの会員様が来られ、リスちゃんと芦毛のオーちゃんとのラブラブな様子を写真に撮って送ってくださいました。

e239eb49fa9aa6a8c080a7eacbeb108c-1784052068.jpg
オーちゃんとラブラブなリスちゃん
* * *

渡辺牧場さんのSNS
(それぞれの内容は異なります)

☆X(旧Twitter) 
https://twitter.com/urakawawatanabe 
☆Facebook https://www.facebook.com/urakawa.watanabe.bokujo/  
☆Instagram https://www.instagram.com/urakawawatanabe/

(ログインしなくてもご覧いただけます)


【本ブログ公開日お知らせ】
「渡辺牧場だより」の公開日は毎月15日です。
(15日が土日祝日の場合は翌日以降の公開となります)

次回は2026年8月17日(月)の予定です。
どうぞお楽しみに!
 
渡辺牧場へ移動する前のエイシンルーデンスの近況報告「ルーデンスだより」
「渡辺牧場だより」バックナンバー(アーカイブ)に統合しました。



見学について

※要事前予約
※会員(全FP会員、一般会員、後援会員)のみ対象

会員見学(全FP会員、一般会員、後援会員) :
 会員専用ページ、会報をご参照ください

一般見学 (賛同会員を含む) : 以下をご参照ください
      渡辺牧場Twitter(@urakawawatanabe)
      競走馬のふるさと案内所 渡辺牧場のページ
             https://uma-furusato.com/search_farm/1344.html



ナイスゴールド、モアザンベスト、エアリカコ、ミラキュラス、マイネリスペクトの余生を支えてくださるFP会員を募集しています

[FP会員数・口数]
2026年7月1日現在

ナイスゴールド 138名 90口
モアザンベスト 30名 21口
エアリカコ 56名 43.5口
ミラキュラス 4名 2口
マイネリスペクト 3名 5.5口


「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション」

渡辺牧場で生まれ、余生を過ごしたナイスネイチャ(1988年4月16日―2023年5月30日)の誕生日に合わせて引退馬支援のご寄付を募るドネーションを、2025年も「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2025」(NNMD2025)として開催いたしました。たくさんのご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
ナイスネイチャのドネーションで皆様からいただきましたご寄付はすべて、その年のテーマに合わせた引退馬支援に使わせていただきます。NNMD2025のテーマは、引退馬が次の馬生を目指すためのリトレーニングを行う「再就職支援プログラム」です。対象馬の入厩、調教も始まっています。

長年にわたり引退馬協会の広報部長として活躍したナイスネイチャの功績を讃え、感謝する「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション」。このドネーションは、引退馬支援のためにこれからも続けていきたいと思っております。ご支援、応援をよろしくお願いいたします。(引退馬協会 事務局)


「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2025」(Symcable)
開催期間:2025年4月16日 − 5月15日

2026年も「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション」を開始いたします。
「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2026」
開催期間:2026年4月16日 − 5月15日
ご支援、応援をよろしくお願いします!



  • 7月15日 近況のご報告
    渡辺牧場だより

    7月15日 近況のご報告

  • 6月15日 近況のご報告
    渡辺牧場だより

    6月15日 近況のご報告

  • ミラキュラス 24歳の誕生日おめでとう!
    渡辺牧場だより

    ミラキュラス 24歳の誕生日おめでとう!


この記事に関連するフォスターホースについて知る

  • ナイスゴールド

    ナイスゴールド

  • モアザンベスト

    モアザンベスト

  • エアリカコ

    エアリカコ

  • ミラキュラス

    ミラキュラス

  • マイネリスペクト

    マイネリスペクト

Support

フォスターペアレントとして引退馬の余生をご支援いただける方を募集しています。

新規ご入会はこちら

引退馬協会の会員の方はこちら

お問い合わせからご連絡ください

ご支援の方法

Donation

あなたにできる方法で
引退馬を守る・支える

「引退馬を守りたい」そういった方に、様々なご支援をいただいております。
1頭でも多くの馬を支えるためには、あなたのご支援が必要です。
会員や寄付、買い物など、あなたにあった方法でご検討ください。