ナイスゴールド
情報を探す
渡辺牧場さんから近況報告が届きました。ナイスゴールド(28歳)、モアザンベスト(24歳)、2025年10月に沖田忠幸牧場から移動してきたエアリカコ(27歳)とミラキュラス(24歳)、2026年3月に入厩したマイネリスペクト(18歳)のようすをお伝えします。
* * *
熊本の大地震、次々に発生した台風の影響、そして千葉県の豪雨で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。少しでも早い復旧と今後の安全を心からお祈りしています。
今年の浦河は5、6月に晴れが多かった後、7月は濃霧や曇りや雨の時間帯が多かったです。8月に入ると気温が一段階上がり、太陽が顔を出すとその威力は数年前までとは違う強さを感じます。また、今年は特に大きいタイプのアブの数が多く、晴れると馬たちを外に出しておけない状況です。ただ、現段階で振り返ると、やはり2023年の夏が最も異常で厳しく、今年はそれを思うと、今のところはまだ良い方だと思います。
早朝に最低でも3〜4時間放牧し、日中は暑いと各馬房前に扇風機を置いて強風を当てています。夕方曇って風があると再放牧を19時前までしています。これまでのところは、ほとんどの日に2回放牧できていました。朝は3時過ぎに放牧を始め、順番の遅い馬でも4時までに放牧を終えて、晴れると朝の7時過ぎに収牧する日が多かったです。収牧までになかなか写真や動画を撮りに行く時間が取れませんでした。
7月19日に体重測定をしたところ、500kgちょうどでした。何度も食欲不振を経てきていますので、初めて体重測定をした一昨年の11月よりは30kgも減っています。
蹄葉炎の状態が重いので、キース装蹄師さんは蹄への負担を考えると痩せていた方がいいとおっしゃいます。一方、高齢なので、今よりは体重が落ちないようにとも考えています。
マキヒメを体重測定する番になり、馬房から出されて目の前を通り過ぎると、ナイスゴールドはマキヒメがどこかに行ってしまうと思ったのか、大慌てで声をあげてうろたえていました。

7月28日は涼しくて終日放牧できた日でした。この日の午後に放牧地で陰嚢が少し腫れていました。夕方には全身に蕁麻疹が出た上、陰嚢の腫れは驚くほどになっていました。お腹の下に浮腫も見られました。体温は38.2℃で食欲もありましたが、念のため獣医師さんの診察を受けました。

獣医師さんは、原因についておそらく虫刺されだろうとおっしゃいました。ナイスゴールドは昨年8月にもおそらく虫が原因らしい蕁麻疹が全身に出ました。また、その前の年もここまでひどくはなかったもののプツプツと蕁麻疹らしきものが何度も出ました。
とマキヒメ(左)8月13日-r.jpg)

高齢馬ということもありますが蹄葉炎のためステロイドの注射は使えず、一日置きに飲む薬を2回分処方してくださいました。昨年も同様でした。3回目の薬をどうするかという頃には随分症状が治まってきていたため、そのまま様子を見ることにし、そのまま治っていきました。食欲が落ちなかったのが良かったです。
とマキヒメ(手前)-r.jpg)

8月4日に特殊装蹄の改装をしてくださいました。その後の歩様を毎日の放牧地の行き帰りに観察しています。

モアちゃんはクッシング病なので他の馬たちより少し毛が長いのと、クッシング病の症状の一つとして「多汗」もあるため、晴れてアブに追われると逃げて歩き回り続けてすぐに汗まみれになってしまいます。なので、早めに収牧するように気をつけています。

せっかく早めにモアちゃんをアブから助けようと迎えに行っても、モアちゃんは50mくらい先で尻尾と四肢をバタつかせてアブを追い払いつつ「もう少し、もう少し青草を食べさせて」とでも言っているかのように草を食べ続けて戻ってこない時がありました。
でも、その少し後で、「もう限界!」とでも言うように走って出入口に戻って来たので、馬房へと急いで連れ帰りました。
モアちゃんは青草制限のため、いつもは放牧途中で近くの狭い放牧地に移動していましたが、今は避暑のため厩舎に帰る時間の方が早いので、そのような移動はなくなりました。午後から再放牧する時には初めから狭い放牧地に放し、ケイウンネイチャーとダイエットしながら過ごしています。
と仲良しモアちゃん(右)8月14日-r.jpg)
広い放牧地ではプリンちゃん(プリティプリン 渡辺牧場里親会)と今も仲良しです。涼しい時間帯には放牧地の真ん中より向こうの方まで行って、プリンちゃんと並んで草を食んでいるのを度々見かけます。

リカコは扇風機を初めのうちは怖そうに見ていましたが、間もなく「とても気持ち良いもの」と理解して、今はとても好意的な表情で扇風機を受け入れてくれます。

リカコは昨年移動してきてから体重が63kg増えました。今の感じは太すぎず細すぎず良い感じだと思います。現役競走馬時代の成績表を調べて、勝った時を調子の良い時と捉え、その体重は走るために筋肉をつけて絞った時の体重なので、養老馬としては年齢や健康状態にもよりますが、1~2割増しが理想的かと個人的に考えています。
とエアリカコ(栗毛)7月18日-r.jpg)
リカコはここに来た時の体重が現役競走馬時代に成績が良かった頃の体重(464kg)より少し少ない体重でした。これは高齢化にともなって歯が悪くなり草の噛み出しをしていたからと考えられます。粉の飼い葉にしたことで栄養が摂れるようになり、8月7日の体重は524kgなので、524÷464=約1.13倍です。現役時の体重の1割ちょっと増しです。

ここのところは斜めにならず、安定して立っています。一時、少し斜めになっていて心配しましたが、しばらくするとまた安定するようになりました。もしかしたら、アブを追い払おうとして脚を振り回した時か、ゴロンゴロンと寝転がった時に少し痛めたのかなと思いました。放牧地ではよく歩き回っているので、自主トレになっているのかもしれません。
犬の散歩で近くを通ると、リカコはミラキュラスを守ろうとするのか犬を威嚇します。もちろん犬は何も悪いことはしていませんが、先日はリカコが放牧地の馬せん棒に胸前をぶつけるくらい威嚇してきました。犬もびっくりしていましたが、リカコ自身も驚いていたようでした。

エアリカコとともに毎日後肢の皮膚炎(ケイクン)の箇所をオゾン水で洗ってブツブツの取り除けるものだけ手で取り除き、塗り薬を塗っています。
少しずつ良くなってきていると思います。アブやサシバエが寄って来るのをとても嫌がりますが、ミラキュラスは我慢強い方だと思います。
とエアリカコ(左)7月25日-r.jpg)
とエアリカコ(右)7月18日-r.jpg)
放牧地ではひたすら青草を食べ続けています。暑くなって放牧地に迎えに行くと、リカコは出入口で迎えを待っていても、ミラちゃんは食欲の方が勝っているのでしょう、30mくらい中ほどでアブにたかられるのを我慢しつつ青草を食べ続けているので、そこまで迎えに行きます。

リカコの栗毛色よりもミラちゃんの黒い馬体(青鹿毛)の方が太陽熱で表面温度がより一層高まっているので、アブやサシバエはミラちゃんに集まりやすく攻撃を受けやすいです。
馬たちに虫除け馬服を着せた日もありましたが、太陽が出ると一気に気温が上がり、馬たち自身が発する熱がこもり、汗をかくと余計につらそうに見えます。そのため、数年前よりも太陽熱が強くなったように感じられる現在は、気温の高い予報の日には着せないで、早めに収牧するようにしています。



放牧地で青草を食べているとリカコが来て、追われるようにミラちゃんは歩き出します。しばらく追い運動のように歩かされて、ある程度のところで上手くかわすか、またはリカコが立ち去るかしてミラちゃんはまたゆっくり青草を食べ始めます。

その後も芦毛のセン馬、オーちゃんに好かれて仲良く過ごしています。
7月25日、放牧地の出入口付近で芦毛と「キ甲」の辺りを掻きあっこ(グルーミング)していたので、またオーちゃんとカキカキしているんだなと思ったら、そうではなく珍しいことに芦毛の牝馬バイラー(ヴィエントバイラー 渡辺牧場里親会)と掻きあっこしていたのでした。

会員様がリスちゃんにゼブラ柄の虫除け馬服をプレゼントしてくださいました。今年モアちゃんがプレゼントしていただいたのと同じものです。初めて着せて放牧した時は気のせいかオーちゃんが戸惑っていたように見えましたがすぐに慣れたようでした。

前回の「渡辺牧場だより」では、リスちゃんの左前が痛く原因がはっきりしないところでの近況報告となっていました。
その後、7月17日にはまた痛みが強く、朝の放牧時に馬房から出られませんでした。獣医さんに蹄のレントゲンをお願いして、翌日に撮っていただいたところ、蹄葉炎はやはり治っており良い状態でした。

そこで獣医さんがあらためて蹄底を調べてくださったところ、わかりづらい状態ではありましたが蹄球から膿が抜けた痕がありました。おそらく蹄叉側溝から菌が上がったのだろうとのことでした。
7月17日に膿が抜ける直前が痛みのピークで馬房から出られない程だったと思われます。考えてみたら、初めに痛くなったのが7月7日なのでちょうど10日経ったわけで、「砂のぼり」*と言われれば十分納得できます。
*砂のぼり…蹄壁内部に空洞が生じる蹄の疾患
途中、「砂のぼり」も疑い、検蹄器で調べた箇所は反応がなく、リスちゃんが過去に蹄葉炎から深屈腱の切断手術を受けたことがある珍しい病歴のある馬という先入観から難しく考えすぎてしまったようです。ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。

終わってみると、これまでの他の馬たちの経験でも、「砂のぼり」はわかりづらかった例が何度もあり、馬が痛みで悩み続ける間、人間はそれを見て心配して原因に悩み続け、10日ほど経った頃に膿が抜けて、「砂のぼりだったのか…」と毎度「いつまで経っても馬のことは勉強だ」と思い知らされます。
7月27日にリスちゃんに会いたいという会員様が来られ、リスちゃんの血統について教わり驚きました。昔、ナイスネイチャと同じ歳で同じくナイスダンサー産駒の牝馬ダンスダンスダンスという有名な馬がいて、ナイスダンサー産駒なので心に残っていました。そのダンスダンスダンスはリスちゃんの母の妹なのだそうです。そして改めて、リスちゃんの母やその一族がすごい馬たちだったと知り、リスちゃんが牝馬でありながら高知の皐月賞に勝つほどの馬だったことに納得していました。

※要事前予約
※会員(全FP会員、一般会員、後援会員)のみ対象
会員見学(全FP会員、一般会員、後援会員) : 会員専用ページ、会報をご参照ください
一般見学 (賛同会員を含む) : 以下をご参照ください
渡辺牧場Twitter(@urakawawatanabe)
競走馬のふるさと案内所 渡辺牧場のページ
https://uma-furusato.com/search_farm/1344.html
モアザンベストは
「ナイスネイチャ・33歳のバースデードネーション」対象馬です。
マイネリスペクトは
「ナイスネイチャ・35歳のバースデードネーション」対象馬です。
「ナイスネイチャ・バースデー/メモリアルドネーション」活動報告・対象馬一覧
渡辺牧場で生まれ、余生を過ごしたナイスネイチャ(1988年4月16日―2023年5月30日)の誕生日に合わせて引退馬支援のご寄付を募るドネーションを、2025年も「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2025」(NNMD2025)として開催いたしました。たくさんのご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
ナイスネイチャのドネーションで皆様からいただきましたご寄付はすべて、その年のテーマに合わせた引退馬支援に使わせていただきます。NNMD2025のテーマは、引退馬が次の馬生を目指すためのリトレーニングを行う「再就職支援プログラム」です。対象馬の入厩、調教も始まっています。
長年にわたり引退馬協会の広報部長として活躍したナイスネイチャの功績を讃え、感謝する「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション」。このドネーションは、引退馬支援のためにこれからも続けていきたいと思っております。ご支援、応援をよろしくお願いいたします。(引退馬協会 事務局)
「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2025」(Symcable)
開催期間:2025年4月16日 − 5月15日
2026年も「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション」を開始いたします。
「ナイスネイチャ・メモリアルドネーション 2026」
開催期間:2026年4月16日 − 5月15日
ご支援、応援をよろしくお願いします!
Support
引退馬の余生のご支援をお願いします
フォスターペアレントとして引退馬の余生をご支援いただける方を募集しています。
お問い合わせからご連絡ください

Donation
あなたにできる方法で
引退馬を守る・支える
「引退馬を守りたい」そういった方に、様々なご支援をいただいております。
1頭でも多くの馬を支えるためには、あなたのご支援が必要です。
会員や寄付、買い物など、あなたにあった方法でご検討ください。