渡辺さんからナイスネイチャ、ナイスゴールド、モアザンベストの近況報告が届きました!
近況報告
早朝から虫除け馬服を着せて放牧して、太陽が出て暑くなると全馬を厩舎に入れて涼ませ、午後から曇って涼しくなると、虫除け馬服をまた着せて放牧し、一日に同じ作業を2度繰り返し、大変でした。暑さによっては、そのまま2回目の放牧は出来ない日もありました。厩舎内は涼しく、アブはごく少ないですが、サシバエはいます。昨年はサシバエが大量発生して困りましたが、今夏は平年並みです。8月に入ってから、暑い時間帯もありますが、涼しい時が多くなりました。夜は晴れると気温が下がり、14℃くらいになりました。
ナイスネイチャ
虫除け馬服についてお問い合わせがありましたので、ご説明させてください。これはあくまでも渡辺牧場での「現在の気候と管理の状態」での個人的な考えですので、他の場所等において、必ずしも当てはまるとは言えません。
着せることでアブやサシバエに吸血されるのをかなり防げますが、隙間から入り込む数匹は防げません。それを多くの馬は我慢できますが、我慢できず走り回って汗をかいて余計にアブを引き寄せるタイプの馬もおり、そういう馬には着せていません。
また、ナイスネイチャの相棒メテオシャワー(27歳)は昨年までは大丈夫だったのが、今年は寝起きに苦労するようになり、アブが隙間に入り込むと我慢できずゴロンゴロンと寝転がってしまい、立ち上がれなくなる可能性が高いので、今夏は着せるのを止めています。
一方、着せると却って暑いのではないかと思われるかもしれませんが、ベージュ色のメッシュ生地なので、人間が麦わら帽子をかぶるのと似ていて、特に黒鹿毛などの馬が太陽の下に居る時は、着せた方が馬体が太陽熱を吸収するのを和らげると思います。
風の有る無しにもより、着せていて寧ろ暑いようなら厩舎に入れ、脱がせます。着せることに一長一短があり、それは馬の気性や健康状態にもより、その日の天気にもよります。また、例えば同じメテオシャワーでも昨年は着せて問題なかったのに今年はそうではない、ということもあります。
色々捉え方はあると思いますが、着せていなかったらもっと多くのアブにお腹の下を刺され、大型の黄色いアブには尻尾で払えないお尻のてっぺんを刺され、サシバエももっと多く体表にくっつき刺すのを実際に見ていますので、着せることでの効果はあると考えています。特に高齢や病気で体表をプルプルッと震わして虫を寄せ付けない能力が落ちていたり、四肢を動かして払う能力が落ちている馬ほど、効果的だと考えています。
ナイスネイチャは前回のご報告のように、着ていて寝起きは出来たものの、自分の体重で馬服を抑え、前肢の可動域が小さくなったせいか自分の蹄で自分の脚を傷つけたことがありました。そのため馬服を着せるのを見合わせることも多かったですが、次第にアブやサシバエの量が増えたことと、寝起きも出来ることを確認したことから、ここのところは着せることが多くなりました。
右目の角膜についた傷については、蒸し暑い夜に特に虫が多く発生していた翌朝、目を腫らしていました。おそらく、目の付近に虫が付いて痒いのを、飼い葉桶の淵や柱などで強く擦って角膜に傷がついたのだと想像しています。
これも若いころには無かったことですから、もしかしたら高齢になって我慢がしづらくなってきたか、擦る時の力加減に失敗して強く擦り過ぎてしまったのかなぁと思っています。見学に来られていた方々も見ている前で、ブリンカーを着けたまま痒いのを我慢できなくて無茶苦茶に掻いているのを見つけて止めたこともありました。目の点眼治療はまたしばらくかかりそうです。
ナイスゴールド
虫除け馬服の適不適についてナイスネイチャの報告分に書きましたが、ナイスゴールドの場合は着せており、放牧仲間のマキヒメには着せていません。マキヒメにも初めは着せたのですが、入り込んだアブが我慢できず走り回り続け、歩様がひどくなってしまい、治療中だった股関節の治り方を遅らせてしまったことがありました。
ナイスゴールドの馬房は前面の出入口、後面の裏戸から風が通る他、両横の壁にも縦長の大きな窓(金網)があり、四方を開け放せるのでとても涼しいです。横の金網の向こうにはマキヒメがいます。
ナイスゴールドは6月20日に両前に特殊装蹄をしていただき、その後、状態良く保てていました。8月5日に、それ以来になる改装をして下さいました。これまでの装具を外して、削蹄して、また新しく接着装蹄して下さいました。蹄底に水色のクッション材を挟んであります。
最後に右前蹄の前面の蹄冠部より少し下に、横線状に溝を掘っておられました。なぜか尋ねたら、ゴールドの蹄は蹄葉炎のため平べったく蹄が変形してしまっているので、特殊装蹄で正常な歩様をしつつ、これから伸びてくる新しい蹄が正常な向きに伸びるように仕向ける(誘導する)ためとのことでした。これを削り過ぎると蹄骨が出てきてしまうので注意しないといけないとのことでしたが、ナイスゴールドは大丈夫とのことです。改装後の歩様はとても良いです!
モアザンベスト
7月27日夕方、入厩しました。20歳、アメリカ生まれですが日本で競走馬として走り、繁殖牝馬としてお仕事していました。スウィングフィールド牧場さんのマンダララのご縁で引退馬協会フォスターホースになったそうです。馬運車から降りて、馬房に向かうのも馬房に入ってからも落ち着いていました。右の鼻の穴から鼻水を出していますがルーデンスのような重症ではないそうです。
北海道事務所の加藤さんが立ち合いに来られ、一緒に馬房前で写真を撮ろうとすると、たまたまなのか、反対側を向いてしまい、寝ワラとして入れてあった牧草を食べていました。顔の写真を撮ろうと、裏戸側に回ると、またクルッと向きを変えてしまいました。また表側に行くと、また写真を撮る間もなくクルッと向こうを向いてしまい、何度やっても同じでした。たまたまではなく、恥ずかしいのか人見知りするのか???と、モアちゃんの性格の一面を知りました。
その後、人参スライスを差し出すと、迷うことなくパクッと食べてくれました。人参は大好きなようで良かったです。
放牧地はアルテミスという15歳牝馬と一緒になりました。アルちゃんがフレグモーネを再発していたこともあり、治療が終わってから8月2日に、幅は40m弱ですが奥行きは300mの広い放牧地に放牧しました。モアちゃんはスウィングフィールド牧場さんでも、放牧仲間から敢えて距離を置く、引っ込み思案?なところがあったそうで、今のところ、アルちゃんとも距離を置いて過ごしています。時間がかかるかもしれませんが、少しずつ仲間意識ができてくると思っています。
放牧地ではずっと奥まで行って、夕方、他の馬たちを入れてしまってもまだ帰って来ないことがあります。真っ暗になる前に迎えに行かなくてはと少し心配になりましたが、薄暗くなってから戻って来てくれました。
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次回の更新は8月22日(月)を予定しています。
お楽しみに!
渡辺牧場へ移動する前のエイシンルーデンスの近況報告は
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2022年8月8日現在ナイスネイチャ 211人 141.5口ナイスゴールド 47人 31口 残口34口
モアザンベスト ⁻人 -口 残口65口
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開催期間 2020年4月16日~5月15日
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